2年ぶり3度目の地区優勝を達成。大きな足踏みをするわけでもなく、かと言って最終戦でJordan Zimmermannがノーヒッターを達成した2014年のような異様な盛り上がりを見せるわけでもなく、着実に、粛々と、レギュラーシーズンを締めくくりました。

[National League EAST End of 2016 Season]

W L PCT GB
Washington 95 67 0.586
New York 87 75 0.537 8.0
Miami 79 82 0.491 15.5
Philadelphia 71 91 0.438 24.0
Atlanta 68 93 0.422 26.5

マジック18から始まった9月。12~14日のメッツとの最後の直接対決を2勝1敗と勝ち越し、この時点でマジック7。その後ちょっともたつきましたが、最終的に24日に地区優勝を決めました。最終成績は、95勝67敗。これは2012年の98勝、2014年の96勝には及びませんでしたが、それでもナ・リーグ2位の立派な成績。9-10月の成績は17勝12敗でしっかりと勝ち越し、全ての月間成績で勝ち越す安定した戦いぶりでした。また、最後に2連勝したことでマーリンズにも10勝9敗とシーズン勝ち越しを決め、ナ・リーグ東地区のライバル全てに勝ち越す「完全地区優勝」を達成。これは、2012年、2014年にもできなかった偉業です。

地区2位はメッツ。月間18勝で、ジャイアンツ、カージナルスとの熾烈なワイルドカード争いを制しました。3位のマーリンズは、Jose Fernandezの悲劇もあり、終盤失速して負け越しでシーズンを終えました。4位はフィリーズでしたが、突然9-10月に調子を上げて18勝したブレーブスとの差はわずか2.5ゲーム差でした。なお、マーリンズとブレーブスとの試合数が161なのは、Jose Fernandezの事故死が伝えられた日の試合を中止(延期ではなく)したためです。

ナ・リーグ他地区を見ると、中地区ではカブスが圧巻の103勝。西地区ではドジャーズが91勝で地区優勝を早々に決めましたが、偶数年にワールドシリーズを3連覇(?)しているジャイアンツが最後に4連勝し、やはり4連勝と食い下がったカージナルスを1ゲーム差で振り切ってワイルドカードの最後の席に着きました。

NLDSの組み合わせは、ナショナルズvs.ドジャーズと、カブスvs.(メッツとジャイアンツの勝者)となっています。

[Pitcher of September/October 2016: Max Scherzer]

GS IP W K ERA WHIP
Max Scherzer 6 38.1 5 46 3.29 1.25
Tanner Roark 6 34.2 2 33 2.60 1.18
A.J. Cole 6 25.2 1 27 5.26 1.19
Gio Gonzalez 5 23.0 1 25 7.43 1.78
Joe Ross 3 9.2 0 14 2.79 1.76
Stephen Strasburg 1 2.1 0 4 3.86 0.86
G IP SV HLD ERA WHIP
Mark Melancon 15 16.0 10 0 2.81 0.88
Blake Treinen 13 11.1 0 6 0.79 1.15
Shawn Kelley 12 10.1 0 3 0.00 0.29
Mark Rzepczynski 10 6.2 0 3 2.70 1.20
Sean Burnett 10 5.2 0 0 3.18 1.08
Koda Glover 10 8.2 0 1 7.27 1.27
Reynaldo Lopez 6 18.2 0 1 4.34 1.39

9月7日に激震が走りました。背中の痛みから復帰し約2週間ぶりのマウンドに上がったStephen Strasburgが先発しましたが、3回表途中に右ひじの痛みを訴えて降板。2度目のTJ手術かと心配され、騒然となりました。腱は断裂してはいないとの診断結果でとりあえず手術せずにリハビリを続けていますが、NLDSでの登板はとても無理。チームが勝ち進んだ場合のNLCS以降の登板可能性は排除されていませんが、現実的にはないでしょう。長期契約を結んだばかりでの、この故障のショックは大きいです。

代わりというわけではありませんが、18日にJoe RossがDLから復帰。右肩痛で7月にDL入りしてから約2か月ぶりの復帰。少しずつ球数を増やし、最後の登板でようやく90球を超え、ポストシーズンでのピッチングにメドが立ったのは朗報でした。

ポストシーズンでの先発が予想される投手陣ではTanner Roarkは安定感抜群。打線の援護に恵まれず今月は2勝止まりでしたが、それでも自己最多のシーズン16勝を記録。一方で、Gio Gonzalezは不安定の固まり。それでも、NLDSの相手ドジャーズは左投手を苦手にしているというデータがあるので、「いいGio」が出ることを祈るばかりです。

そして今月もエースの仕事をしたのがMax Scherzerです。味方の援護もあったとはいえ、今月だけで5勝を積み上げて最終戦でシーズン20勝に到達。リーグ最多勝のタイトルを獲得しました。最後の数試合は、なんというか、負ける感じがありませんでしたね。リーグ最多奪三振のタイトルも独走で獲得。投球イニングもリーグ独走トップ。サイヤング賞、取れたと思うのですが、どうでしょうか。。。

そして今更気づきましたが、今月はA.J. Coleがローテーションを守って6試合に先発し、2日にはメジャー初白星も記録しました。ただ、登板を重ねるにつれて安定感を失い、あまりよくない印象を残してシーズンを終えてしまったのは残念でした。来年のスプリングトレーニングが正念場となりそうです。

この他、Matt LatosとRenaldo Lopezが各1回先発。Lopezに関しては、先発としては1試合だけでしたが、Rossの登板日にロングリリーフとして好投を続け、3勝という結果はともかく、首脳陣から高い評価を受けました。どうやらポストシーズンのロースター入りを果たしそうです。

ブルペンでは、相変わらずMark Melanconが安定のクローザー業務を遂行。前月ほど完璧ではなく、失点もし、セーブ失敗も1試合ありましたが、それでも十分な安定感があります。

ずっと役割分担がはっきりしなかったセットアッパー陣でしたが、Blake Treinen、Shawn Kelley、Marc Rzepczynski(左)は安定感のある仕事ぶりで、勝ちゲームはこの3人が中心になりそうです。特にShawn Kelleyはちょっと目を疑うような素晴らしい成績です。

2012年、2014年のポストシーズンではいずれも終盤の逆転負けを喫したナショナルズ。ポストシーズンになるとブルペンには一層プレッシャーがかかることになりますが、今年のブルペン陣は比較的ベテランが多く、大丈夫と期待しています。

[Hitter of September/October 2016: Trea Turner]

PA AVE OBP SLG R HR RBI SB
Trea Turner 129 0.339 0.380 0.612 19 8 18 15
Anthony Rendon 105 0.247 0.314 0.419 12 4 23 0
Jayson Werth 101 0.211 0.297 0.267 12 1 8 1
Danny Espinosa 101 0.135 0.212 0.281 12 4 10 1
Bryce Harper 98 0.210 0.327 0.321 11 1 11 3
Ryan Zimmerman 85 0.222 0.259 0.333 7 2 6 1
Wilson Ramos 73 0.275 0.315 0.420 4 2 9 0
Daniel Murphy 64 0.393 0.438 0.554 7 0 6 2

野手は野手で、今シーズン比較的健康に恵まれてきたツケを払うようにここに来て故障者が続出。首位打者あるいはリーグMVP争いにも名乗りを上げていたDaniel Murphyが足のつけねを痛めて17日以降は先発からは外れ、以降は代打でのわずか3打席のみ。ぎりぎりで首位打者を逃すことになりました。

そしてシーズン最終盤、地区優勝も決まった後になって、Wilson Ramosが右ひざ靭帯断裂でシーズン終了。翌日にはBryce Harperも右手を負傷して数日欠場(最後の数試合は出場しましたが)、Jayson Werthも軽傷とはいえ負傷して最後の2試合を欠場しました。

そんなチームを支えたのがTrea Turner。数字を見るまではここまでとは気付きませんでしたが、本当に1人で支えていたんですね。故障で半分休んだDaniel Murphyを除くと、打点以外の全ての項目でチームトップ。それも、圧倒的な差で。リードオフなんですから打点が伸びないのは当たり前ですが、それもチーム2位。この活躍で、2か月連続の公式の月間リーグ新人王に選ばれています。

逆に言えば、他の選手があまりにひど過ぎました。チーム打率こそ12位と並の成績でしたが、本塁打数は23位で総得点は20位に低迷。

Anthony Rendonこそまだ許せる数字ですが、Jayson Werth、Bryce Harper、Ryan Zimmerman、それにDanny Espinosaがこのままの調子では、各チームが4人以下のローテーションで回すことになるポストシーズンを勝ち上がることは絶対無理。こうしてみるとなおさらWilson Ramosの離脱が痛いですね。Daniel Murphy?戻ってきてくれないとどうにもなりません。

Ramosの離脱によって急に出場機会が増えた両捕手は、Jose Lobatonが.400/.409/.450、Pedro Severinoが.182/.357/.545と、それぞれ少ない機会で結果を残しています。Ramosの穴を埋めるのは簡単ではありませんが、ポストシーズンでもがんばってください。

セプテンバーコールアップで呼ばれた選手の中では、Brian Goodwinが27打席で.308/.333/.538、Wilmer Difoも29打席で.304/.448/.478と与えられた機会を活かしました。チームの冬の補強戦略に影響を与えたのではないでしょうか。来季のスプリングトレーングが楽しみです。

W10-7 Marlins (Season 95-67)
Scherzer(W20-7) 5.0IP 5ER 9H 2BB 7K / 2/2 4RBI
Melancon(SV17) 1.0IP 0ER 1H
Espinosa 1/1 HR(24) 2BB 3R 2RBI
Difo 1/3 BB 3R RBI SB(3)
Turner 1/3 2BB RBI SB(33)

レギュラーシーズン最終戦。

20勝、サイヤング賞がかかったMax Scherzerが先発しましたが、まったく本調子ではありませんでした。4回表にはDestin Hood(覚えていますか?私がブログを始めた初年にナショナルズがドラフト2順目で指名した選手。時間はかかりましたがようやく今季メジャーデビュー)にメジャー初本塁打、初打点をプレゼントし、5回表にもTomas Telisにやはりメジャー初本塁打を献上。さらにChristian Yelichにもタイムリー三塁打を打たれ、5回で5失点。なおも1死3塁のピンチが続きましたが、ここは連続三振で切り抜け、なんとか5-5の同点とするのがやっとでした。

もっとも今日のScherzerはバットで頑張りました。2回裏、Scherzer以上に乱調だったマーリンズ先発のTom Koehlerが3連続四球で無死満塁のチャンスを提供してくれたのを活かし、Jose Lobatonの犠飛で1点を先制した後、Scherzer自らセンター前にはじき返す2点タイムリーヒット。さらに、4回裏にもやはり1死2,3塁から同じようにセンター前に弾き返し、同じようにWilmer DifoとDanny Espinosaの2人を迎え入れました。

とはいえ、5回5失点ですから、勝ち投手にはなれないはずのピッチング内容でした。が、そのScherzerに打線が白星を付けてくれました。同点とされた直後の5回裏、1死1,3塁からDifoの併殺崩れの間に1点を勝ち越すと、続くEspinosaが豪快に右中間スタンドに運ぶ2ラン本塁打。8回表にReynaldo Lopezが2点を失いましたが、その裏、すぐさま、Trea TurnerとBen Revereに連続タイムリーが出て、再び3点差。

最後はMark Melanconがしっかり締めてゲームセット。

さあ、次はNLDSです!

MVP: Max Scherzer

**********

Scherzerは20勝目に到達し、リーグ単独トップで終了(19勝で並んでいたカブスのJon Lesterは前日の登板で黒星)。284奪三振もリーグ単独・独走でトップ。防御率は少し落として2.96。リーグトップのカブスKyle Hendricksもこの日5回4失点と打ち込まれて、2.13と2点台に落ちてきました。WHIPではそのHendricksを抑えてScherzerが0.97でトップ。そして投球回数でも228回1/3で単独トップ(Hendricksは190回で13位)。サイヤング賞、行けたと思うのですが、どうでしょうか。

タイトル争いと言えば、ロッキーズのDJ LeMahieuと首位打者を争っていたDaniel Murphy。とはいえ、Murphyはご承知の通りの故障でここしばらくずっと欠場しており、一方のLeMahieuも成績を落としてギリギリでMurphyの数字を上回った状態から3試合連続で欠場するという、微妙な展開を見せていました。今日も先発を外れた両選手でしたが、Murphyは5回裏に代打で登場。ここで1本出れば逆転できるという場面でしたが、結果はライトフライ。惜しくも首位打者はなりませんでした。

それからもう1つ。Wilson Ramosの負傷により急きょメジャーに呼ばれたSpencer Kieboomが8回裏に代打でデビュー。カウント3-1から四球を選び、上記のRevereのタイムリーで生還と勝利に貢献。守備機会はありませんでしたが、いい経験になったことでしょう。

マイアミ・マーリンズのエースJose Fernandezがボート事故でこの世を去ってから1週間が過ぎました。

ニュースを最初にTwitterで見たときに頭によぎったのは、1994年のF1サンマリノ・グランプリでのアイルトン・セナの事故死。あの時はテレビ中継を見ていたので(それに私自身が若かったので)今回以上のショックを受けました・・・。

それはさておくとして。

Fernandezを悼む記事が多くの記者やコラムニストから発表されています。たくさん読みました。どれも心のこもった記事で、時間を忘れて読みふけってまいました。これらの記事で繰り返されていたのは、Fernandezの野球選手としての才能・将来性(サイヤング受賞、将来の殿堂入りも十分現実的だった)だけでなく、野球への情熱・プレーできることの喜びを表現する姿、周りから愛されるキャラクター。誰もがFernandezを愛していたことを伝えてくれました。あえて1つだけ紹介するとすれば、Fox SportsのKen RothentalがFernandezを発掘したマーリンズのスカウトのFernandezへのメッセージを紹介して書いた記事。最後の、”Once in a lifetime. Pick 14. Forever 16. Rest in peace.”は、ぐっときました。

直前にフィアンセが妊娠している写真をインストラグラムに投稿していたと知ったときは言葉を失いました。

そして、翌日の試合前の追悼式、Dee Gordonの涙の先頭打者ホームラン(打たれたBartolo Colonの態度も含め)で目頭が熱くなり、さらに幼馴染で葬儀に出席するために試合を休んだカージナルスのAledmys Diazが復帰初戦で満塁ホームランを打って感極まっているシーンを見せられては・・・。

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ご承知のとおり私はナショナルズをフォローしてきましたので、マーリンズとは同じナ・リーグ東地区ということもあり、当然Fernandezとも何度も対戦した記憶があります。打てなかったという印象は残っていますが、実際どうだったんだろうかと、まずは確認してみました。

Jose Fernandez (2013-2016 v.s. Washington Nationals) 
10GS 7W 0L 63.2IP 84K 20BB 0.99/0.85

紛れもない天敵ですね(笑)。

10先発、7勝、84奪三振は、いずれもFernandezにとって対戦相手別での最多記録。なお、チームとしての成績はナショナルズから見て2勝8敗でした。

当然、個人成績も惨憺たるもの。全MLB選手でFernandezと最も多く対戦した(26打席)のが、我らがBryce Harperでしたが、211/.385/.211という成績で、6つの四球のため出塁率こそ高いものの、長打なし、打点は犠飛による1点だけでした。チーム最多打点は、Jayson Werthの3でしたが、これは3ラン本塁打1本によるもので、実はこれがWerthがFernandezから打った唯一のヒットでした(20打席)。そして、昨季終了時点では最多対戦を記録していた(今季は対戦なし) Ian Desmondに至っては、17打席で.000/.000/.000、12三振という記録が残っています。ナショナルズの主力打者で比較的よく打ったのはRyan Zimmermanで、15打席で4安打(打率.286)、うち二塁打1本、本塁打1本。

まあ、ものの見事に抑え込まれましたね(笑)。

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さて、ここからが本題です。

当ブログでは、基本的にナショナルズの全試合をフォローし、記事にしてきました。今回の訃報に接し、私は、改めてナショナルズがFernandezと対戦した全10試合で書いた記事を振り返りました(2013年の試合はちょうどブログを休んでいたのでありませんでしたが)。

そして、私なりのFernandezへのはなむけとして、改めて、全10試合を振り返る記事を書くことにしました。長いエントリーになりますが、ご一読頂ければ幸いです。

(注:以下の記載における勝ち負けはナショナルズ目線。)

① 2013年7月13日 L1-2x(10)@MIA
Fernandez (ND) 6.0IP 1ER 4H 3BB 4K

ナショナルズが初めてJose Fernandezと対戦したのは2013年の7月。私がワシントンから日本に引っ越し、一時当ブログを休み始めた直後のことでした。この年4月にメジャーデビューしたFernandezにとって通算18試合目。この試合の前まで防御率は2点台を維持しながら、援護に恵まれず5勝5敗で迎えました。

この試合も、ナショナルズの得点は4回表に6番Jayson Werthの犠牲フライで記録した1点だけでしたが、Dan Haren(6回まで)、Drew Storen(7回)、Tyler Clippard(8回)がマーリンズ打線を0点に封じ、このままFernandezに黒星が付くはずの展開。ところが、9回裏にRafael Sorianoが先頭のGiancarlo Stantonに左中間のスタンドに同点弾を浴び、延長10回裏に1死満塁からの併殺崩れの間にサヨナラという幕切れ。結果的にはこの試合が最初で最後のFernandezに黒星を付けるチャンスだったのですが、それはこの時点では分からないこと。

オールスター直前のこの時期に、”World Series or Bust”の掛け声で始まった2013年シーズンのナショナルズにとっては痛すぎる敗戦。この負けで勝率5割に後退。オールスター明けに6連敗して、失速していきました。

② 2013年9月6日 L0-7@MIA
Fernandez (W) 7.0IP 0ER 1H 2BB 9K 

2度目の対戦は同じ年の9月。前回の対戦の後、Fernandez自身はかなり調子を上げて、5連勝した後ブレーブスに1つ負けて(とはいえ6回2失点)迎えたのがこの試合でした。

手も足も出ないとはまさにこのこと。4回までパーフェクト、5回2死からAdam LaRocheが四球を選んでようやくランナーを出し、6回1死からのZach Waltersが打った当たり損ないのサード前への内野安打がFernandezからの唯一のヒットでした。投球数・投球回数の制限がなければ完封されていたでしょう。なお、ナショナルズの先発はまたもDan Harenでしたが、この日は3回5失点KO。

Fernandezはこの後もう1試合に投げたところで投球回数制限のためシャットダウン。シーズン12勝で見事にナ・リーグ新人王に輝きました(これが最初で最後のタイトルになりました)。サイヤング投票でも3位。

③ 2014年4月16日 W6-3@MIA
Fernandez (ND) 7.0IP 0ER(3R) 4H 0BB 10K 

2014年シーズン。開幕投手を任されたFernandezは開幕2連勝を飾りますが、3戦目でフィリーズに4回6失点と打ち込まれた直後の対戦でした。ここからは、当時書いたゲーム記事もリンクを貼っておきます。(リンク:4/16 Werthの3ランから逆転勝ち)

またも序盤はほぼ完全に抑え込まれ、5回までに出したランナーはDanny Espinosaの内野安打だけ。4回裏に先発のTanner RoarkがDerek Dietrichに3ランを打たれ、敗色濃厚の展開となりますが、6回表、先頭のJose Lobatonの二塁打にマーリンズの2つのエラーが重なり、2死1、3塁となり、Jayson Werthが右中間スタンドへの同点3ラン。7回を終え、同点のままでFernandezは降板。その後ブルペン投手陣を打ち込んだナショナルズが逆転勝ちしました。

この後、Fernandezは2試合続けていずれもブレーブス相手に8回無失点ピッチングで2連勝しましたが、5月9日のパドレス戦で右ひじの痛みを訴えて戦線離脱。翌週にはTJ手術を受け、リハビリ生活に入りました。

④ 2015年7月28日 L1-4@MIA
Fernandez (W) 6.0IP 1ER 4H 4BB 5K

TJ手術からのリハビリを終え、7月にマウンドに戻ってきたFernandez。2日のジャイアンツ戦を含め4試合で3勝、防御率2.77と完全復活の様相でナショナルズと対戦。(リンク:7/28-30 マーリンズに2勝1敗)

Fernandezが投げた1回から6回まで全イニングでランナーを出し、2回表にはWilson Ramosの犠飛で先制しましたが、5回表1死満塁でのJayson Werthの5-4-3の併殺が絶望的に痛かったですね。先発のJordan Zimmermannが堪えきれず、5回裏に同点、6回裏に逆転を許して敗戦。Fernandezの投球内容という点では、この試合が最も付け入るチャンスがあったのではないかと思われる試合でした。

なお、この時点ではまだなんとか地区首位に立っていたナショナルズでしたが、まさにこの日、この7月28日にJonathan Papelbonをトレードで獲得。以降の展開は書きたくありません。


⑤ 2015年9月12日 L0-2@MIA
Fernandez (W) 5.0IP 0ER 2H 1BB 7K

8月に2試合に登板した後、右肩に違和感を覚えてDL入りしたFernandezの復帰戦。奈落の底へ落ちていく途中のナショナルズは、リハビリ登板の相手としてはちょうど良かったのではないでしょうか。(リンク:9/12 3安打で完封負け)

元気のないナショナルズ打線は5回まで三塁も踏めず。ブルペン投手相手にもあと1本しかヒットを打てず。このシーズンはブルペンを中心に変な使われ方をされたTanner Roarkが中盤につかまり2失点で敗戦。

Fernandezのシーズン成績はこの時点で5勝0敗。

⑥ 2015年9月18日 W5x-4(10) Marlins
Fernandez (ND) 5.2IP 2ER 5H 2BB 8K 

前週に続く登板で復帰2試合目。ナショナルとの6度目の対戦で、初めてナショナルズ・パークで投げました。(リンク:9/18 Papelbonまたセーブ失敗)

Max Scherzerが初回にChristian Yelichに2ランを被弾して追いかける展開。2回にClint Robinsonがソロを打ち、6回裏にFernandez自身のワイルドピッチで同点に追い付きましたが、なお1死3塁の場面でIan Desmondが三振してしまい、同点のままFernandezは降板しました。なお、この試合がナショナルズがFernandezに自責点2を付けた唯一の試合でした。試合は、8回表にマーリンズが勝ち越し、その裏にナショナルズが逆転し、9回表にJonathan Papelbonがセーブに失敗し、延長10回裏にJose Lobatonの犠飛でサヨナラ勝ち。もう優勝争いでもないのに両軍お疲れ様でしたって感じの試合。

Fernandezはこの後2試合に登板し、健康にシーズンを終了。翌年の飛躍を期待させました。

ここからの4試合は全て今シーズン。先に結論を書くと4戦全敗でした。

⑦ 2016年4月18日 L1-6@MIA
Fernandez (W) 6.0IP 1ER 3H 4BB 9K

開幕2戦目に登板して5失点黒星、次の試合も5回1失点ながら勝ちが付かずと、期待された割には調子が出ていない状態だったFernandezにシーズン初勝利をプレゼントしました。(リンク:4/18 Roarkまたマーリンズに打たれる)

今シーズン序盤に何故かマーリンズに打たれまくったTanner Roarkがこの試合でも初回に3失点。序盤は制球に苦しんでいたFernandezに余裕を持ったピッチングをさせてしまいました。唯一の得点は5回表のBryce Harperの犠牲フライ。

この時点でナショナルズは9勝3敗。開幕ダッシュからちょっと落ち着いたというタイミングでした。

⑧ 2016年5月15日 L1-5 Marlins
Fernandez (W) 7.0IP 1ER 4H 3BB 11K

今季2度目の対戦は5月。順調に勝ち星を伸ばし、4勝2敗で迎えたこの登板では、Fernandezが投打で活躍。(リンク:5/15セカンドフライ落球で2失点では勝てない)

前日のダブルヘッダーの後のデーゲームで元気がなかったということではないと思いますが、とにかく精彩を欠いたナショナルズ野手陣。セカンドのStephen Drewがフライを太陽に入れて落球して3回に2失点。それでも踏ん張っていたJoe Rossにトドメを刺したのがFernandezのバットでした。3-1で迎えた6回表2死満塁から見事にセンター前に弾き返す2点タイムリー。

バッティングも大好きだったFernandez。通算打率は.213という数字が残っています。


⑨ 2016年5月21日 L2-3@MIA 
Fernandez (W) 6.0IP 1ER 4H 1BB 9K

翌週、場所をマイアミに移しての対戦。(リンク: 5/21 9回表無死満塁で1点を追いつけず)

対戦相手はやはりJoe Ross。よく投げましたが、中盤の3失点はFernandez相手には重い枷。ナショナルズ打線は、初回、2回と先頭打者がシングルで出たものの後が続かず、Fernandezからの得点は4回表のClint Robinsonのタイムリーの1点だけ。最終回にブルペンを攻めましたが、逃げ切りを許し、Fernandezに白星。

5月のFernandezはこの2試合を含め6戦6勝、防御率1.38の快投。印象度で勝ったドジャーズのClayton Kershaw(6戦5勝、0.91)に月間MVPを持っていかれましたが、十分値する成績でした。

⑩ 2016年9月20日 L0-1@MIA
Fernandez (W) 8.0IP 0ER 3H 0BB 12K 

そして、記憶にも新しい最後の対戦。ナショナルズは地区優勝目前。マーリンズもまだワイルドカードを争っている状況。自身2連勝中で迎えたキャリア76戦目のこの試合が、そのままFernandezの人生最後の登板となりました。(リンク: 9/20 Jose Fernandezに0-1敗戦 【M4】)

両軍併せて得点はソロ本塁打による1点のみ、試合時間わずか2時間10分という超高速の投手戦。ナショナルズのTanner Roarkもよく投げましたが、この日のFernandezは本当に素晴らしく、初回の2アウト目から8回表1死まで実に21者連続でうちとられ、ようやく作った8回1死1,3塁の唯一のチャンスでも、Danny Espinosaが三振、代打Daniel Murphyも力のないニゴロ。このMurphyがFernandezと最後に対戦した打者となりました。

Fernandezのシーズン16勝目、通算38勝目。

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もし、キャリアが続いていればナショナルズを散々に苦しめ、ナショナルズファンからも嫌われることになったはずなのに。

嫌いになれないままになってしまいました。永遠に。

Jose Fernandez投手の冥福をお祈りします。
そして、その遺児に幸多からんことを。

RIP

W2-1 Marlins (Season 94-67)
Roark(W16-10) 5.2IP 1ER 3H 4BB 4K
Melancon(SV16) 1.1IP 0ER K
Turner 2/3 HR(13) BB 2R RBI SB(32)
Harper 1/3 BB RBI
Taylor 2/3 SB(14)
Espinosa 2/3

先発のTanner Roarが6回途中まで投げて1失点。今日は珍しくコントロールが悪く、球数がかさみ、100球を超えて1点差に詰め寄られたところで降板しましたが、やはり落ち着いて見ることができるピッチングでした。ブルペンがしっかり1点差のリードを守ってくれて、シーズン16勝目。15勝を記録した後、2試合足踏みが続きましたが、最後になんとか16勝目を記録し、2014年シーズンの15勝を上回りました。

打撃陣はなかなか援護できませんでしたが、Trea Turnerが頑張りました。初回の先頭打者としてセンター前シングルで出塁すると、1死後、Bryce Harperのタイムリーで生還(Harperに1本出たことも今後を考えると重要なシーンでした)。5回裏の第3打席では2死走者なしで打席に入り、高めの速球をレフトのブルペンに放り込み、結果的にはこれが決勝点。また、調子が上がってきました。

レギュラーシーズン最終戦を前にナ・リーグ勝率2位が確定。同3位のドジャーズとのNLDSでのホームフィールドアドバンテージ(第1,2,5戦をホームで戦える権利)を獲得しました。ギリギリまで決まらなかったことは、ある意味、調整という観点からは良かったのかもしれません。

明日(日曜日)はいよいよ最終戦。Max Scherzerの20勝を賭けた一戦で締めくくり、金曜日からのNLDSに備えることになります。

MVP: Trea Turner

L4-7 Marlins (Season 93-67)
Cole 3.0IP 2ER(4R) 6H 2K
Solis(L) 1.1IP 1ER 1H 1BB 2K
Turner 2/3 triple BB RBI 2SB(30,31)
Robinson 2/3 BB R
Rendon 1/4 HR(20) R RBI
Drew 1/4 HR(8) R RBI

マーリンズを迎えてのシーズン最後の3連戦。その初戦は雨で開始が遅れましたが、カバーが外されたマウンドには「16」の字。Jose Fernandezを悼んでの試合となりました。

先発オーダーには25日の試合で左手を負傷して退場したBryce Harperが3番ライトで復帰。4打席全て三振でしたが、まあバットは振れていたので、良しとしましょう。Wilson Ramosは無理ですが、後はDaniel Murphyですね。実戦勘を取り戻すためには、最終戦の1試合だけでも間に合ってくれるといいのですが。

試合内容はあまりパッとしないもの。先発のA.J. Coleはぴりっとせず、2回に4本のシングルを集められて2失点。3回にも、セカンドStephen DrewのエラーとJose Lobatonのパスボールに足を引っ張られたとは言え、さらに2失点で、その裏の最初の打席で早々に代打を送られてしまいました。9月上旬に上がってきた当初は好投を続けて評価を挙げたColeでしたが、やや残念なフィニッシュ。来年に向けてオフのトレーニングに精進しましょう。

4回裏にAnthony Rendon、Drewの連続ホームランなどで4点を追い付きましたが、その後は追加点ならず。逆に小刻みなブルペンリレーの中で6,7,9回に1点ずつ失点し、あっさりと敗戦。

なお、個人記録では、Rendonが20号ホームラン、Trea Turnerが30盗塁に到達しました。

W5-3 Diamondbacks (Season 93-66)
Ross  4.0IP 1ER 3H 2BB 5K
Lopez(W5-3) 3.2IP 2ER 3H 1BB 2K
Melancon(SV15) 0.2IP 0ER 1K
Severino 1/3 HR(2) BB R RBI
Difo 1/4 HR(1) R RBI
Taylor 3/4 double 2RBI

先発はDLから復帰後3試合目の先発となるJoe Ross。Dバックス打線にファールで粘られて初回だけで32球を要するなどし、4回までしか投げられませんでしたが、それでも復帰後で最多となる90球を投げ、1失点。ポストシーズンでの登板に向けて希望の持てる内容でした。前日のGioとはえらい違いです。

2番手Sean Burnettを挟み、5回途中から登板したのが、Reynaldo Lopez。6回にシングルと四球で無死1,2塁としましたが、後続を断ち切ると、7回、8回は三者凡退で試合の流れを相手に渡さないナイスピッチングでした。9回1死から2ランを被弾してMark Melanconの救援こそ仰ぎましたが、勝ち投手になりました(これでリリーフとして3勝目)。最終回はちょっと球速が落ちましたが(それでも92マイル前後)、短いイニングなら95マイル超を連発するピッチングは魅力。

試合後の会見で、Baker監督からこの2人に対し、ポストシーズンでの貢献・活躍を期待するコメントが出されていましたので、ロースター入りが当確。頑張ってもらいましょう。

打線では、3回裏にPedro Severinoが2号同点ソロ。左腕のRobbie Ray(!)の95マイルの速球を打ち返しました。やはり試合後にBaker監督が、「次は(やはり左腕の)Clayton Kershawから打てと言っておいた」というジョークが出ていたので、NLDSでも、左腕が先発する第1戦(Kershaw)、第2戦(Rich Hill)での先発マスクが有力視されています。

さらに、4回裏にはMichael Taylorの2点タイムリーなどで逆転し、5回裏にはWilmer Difoにメジャー初本塁打が飛び出しました。Taylorは8月31日以来の久々の先発起用で3安打。この2人のポストシーズンのロースター入りは難しそうですが、来季に向けてのアピールにはなりました。特にDifoに対するBaker監督の評価はかなり上がっています。

MVP: Reynaldo Lopez

9/2 セプテンバーコールアップ:Sean Burnett, Matt Latos, Pedro Severino, Matt Grace, Rafael Martin, Trevor Gott, Brian Goodwin (Joe Rossを60日DLへ、Matt den DekkerをDFA)
9/4 Reynaldo Lopezをコールアップ
9/6 Lucas GiolitoとWilmer Difoをコールアップ
9/7  Stephen StrasburgとStephen DrewがDLから復帰
9/8  Strasburgの診断結果は右ヒジの筋肉の痛み(腱の断裂ではない
9/18 Joe Rossが復帰、Chris BostickをDFA
9/26 Sammy SolisがDLから復帰
9/27 Spencer Kieboomがメジャー初昇格

● セプテンバーコールアップ
9月になり、25人ロースター枠がなくなりましたので、マイナーから以下の7選手が招集されました。

Sean Burnett, LHP
Matt Latos, RHP
Pedro Severino, C
Brian Goodwin, OF
Matt Grace, LHP
Rafael Martin, RHP
Trevor Gott, RHP

何と言っても一番の話題はSean Burnettの復帰。2012年にブルペンの重要な一員として初の地区優勝を支えた功労者。そのオフにFAとして退団してからは、故障(自身2度目のTJ手術など)もあり、結果を残せませんでした。今年はナショナルズのスプリングトレーニングに参加して9試合で無失点と結果を残しながらも最後の最後でカットされ、ドジャーズとマイナー契約を結んで開幕。その後、ブレーブス、ツインズとやはりマイナー契約で所属を変えながらAAAでプレーし、計42試合で防御率1.91という立派な数字を残しましたが、遂にメジャーへの声はかからないまま8月17日にツインズからも戦力外。翌日、改めてナショナルズとマイナー契約を結んでSyracuse(AAA)で投げていました。どれくらい投げられるのかは見てみないと分かりませんが、あのBurnettが戻ってきたというだけで、嬉しいです。

もう1人、やはりマイナー契約から今回呼ばれることになったのがMatt Latos。2013年まではレッズのエースだった先発右腕。以降は故障もあって成績が急降下。ホワイトソックスと1年契約を結んで向かえた今季、開幕から4戦4勝(自責点わずかに2)と好投し、まさかの復活かと思われましたが、以降は投げる度に打ち込まれ、6月7日にナショナルズに逆転負けを喫した翌日、DFAされてしまいました。しばらく所属先がないまま過ごした後、7月末にナショナルズとマイナー契約、GCL、Syracuse(AAA)で先発投手として調整し、ひとまず最低限の結果は残しています。実際、どこまで戦力になるのかは分かりません。Baker監督がレッズの監督時代にLatosがエースとして投げていたという縁もあってかな。

Pedro SeverinoとBrian Goodwinは比較的最近までメジャーにいたので、再昇格は既定路線。来季に繋がるプレーを期待します。特にSeverinoは、Wilson RamosがFA退団の見込みであることもあり、プレーぶりが注目されます。

Matt Grace、Rafael Martin、Trevor Gottの3人はブルペンの補強として期待しています。3人とも40人ロースターに入っていてSyracuse(AAA)で投げながら、なかなかメジャーに呼ばれませんでした(Martinの1イニングだけ)。そんなには機会はないかもしれませんが、来季に向けてアピールしましょう。

さて、BurnettとLatosを新たに40人ロースターに入れる必要があり、Joe Rossを60日DLに移すとともに、Matt den DekkerをDFAしました。Rossは60日DL入ったとはいえ、7月3日からカウントされるので、明日には復帰可能。実際、マイナーでのリハビリ登板は続けているので、シーズン中に戻ってくる見通しです。先発としてではなく、来季に向けたリハビリを兼ねて短いイニングに留める可能性もあるようですが。なお、Rossが復帰する際には、また40人ロースターの枠を空ける必要があります。den Dekkerは今季開幕戦で負傷したBen Revereに代わってプレーしましたが、打率2割未満と結果を残せず5月にはAAAに降格。AAAではシーズン終了まで健康にプレーしていたものの打率.208とやはり結果を残せず、今回のDFAとなりました。

● Reynaldo Lopezをコールアップ 
4日のメッツ戦での先発投手として、Reynaldo Lopezが呼ばれました。自身最多を約40イニング超過することになるので、そろそろシャットダウンではないかと思われます。


● Lucas GiolitoとWilmer Difoをコールアップ
マイナーリーグのシーズンが終わり、さらにLucas GiolitoとWilmer Difoの2人が合流しました。Giolitoは9月2日のSyracuse(AAA)での最終登板で8回2安打無失点と好投。これで締めくくりでもいいと思うんですが、7日にDLから復帰して先発を予定されているStephen Strasburgの状態次第では代わって先発という可能性もあるようです。シーズンの総投球イニングは、まだ前年から14イニング増なので、もう少し投げさせてもいいはずです。DifoはBaker監督以下の首脳陣の評価が結構高いようですね。来季に向けてもう少しアピールしておきたいところ。

● Stephen StrasburgとStephen DrewがDLから復帰
右ひじに違和感があり8月22日からDL入りしていたStephen Strasburgが復帰。DL入りの期間中も(マイナーでの調整登板を行わず)ずっとチームに帯同し、ブルペンセッションで順調に調整を続けてきました。迎えた9月7日のブレーブスとの復帰第1戦。立ち上がりから、球速、変化球のキレ、コントロール全て申し分なく、「あくまで9月・ポストシーズンに万全の状態で臨むための調整」という球団の説明の通り、大した故障ではなかったんだろうな、と思われました。

それが、3回表にあんなことになるなんて・・・・・・。

Stephen Drewは耳の故障というか病気で頭痛と平衡感覚の異常に苦しんできましたが、マイナーでのリハビリ出場を経て復帰。完治はしていないようですが、シーズン終了まで精一杯がんばりましょう。

● Strasburgの診断結果は右ヒジの筋肉の痛み
前日の試合で右ヒジの痛みを訴えて途中降板し、心配されたStephen Strasburgでしたが、MRI検査の結果、TJ手術が必要な「腱」の断裂ではなく、右ひじ周辺の「筋肉」の炎症からくる痛みとの診断でした。

ひとまず最悪の事態には至っていなかったことでホッとしました。球団はシーズン中の復帰も否定しませんでしたが、現実的には難しいのではなかろうかと思われます(長期契約を結んだばかり、という事情は判断を大きく左右するはず)。本当にTJ手術が必要ないのであれば、なおのこと無理せず、来季の開幕に向けて調整したほうがいいと思います。

● Joe RossがDLから復帰、Chris BostickをDFA
右肩の痛みを訴えて7月頭にDL入りしていたJoe Rossが復帰しました。肩だけに心配しましたが、手術を必要とすることはなく、休んだ後ブルペンセッションを続けて戻してきました。本来であればマイナーの試合で調整登板を重ねるところですが、この時期もうマイナーのシーズンは終わってしまっているので、メジャーのマウンドでイニング数を増やしていくことになるようです。このまま順調に回復してポストシーズンで先発できるようなら心強いこと限りなしですが、くれぐれも無理だけはしないでもらいたいです。

40人ロースター枠を空けるためにChris BostickがDFAされました。今季はHarrisburg(AA)で開幕し、打率.290等の好成績を残し、6月下旬にSyracuse(AAA)に昇格しましたが、AAAでは打率.203等と苦労しました。昨年11月にルール5ドラフトからのプロテクションのために40人ロースター入りしていましたが、Trea Turner、Wilmer Difoというほぼ同年の2人がセカンド・ショートというポジションで前を行ってしまっているので、確かに居場所がなくなっていました。


● Sammy SolisがDLから復帰
8月半ばに左肩の炎症でDL入りしていたSammy Solisが復帰。休養とブルペンでの調整で回復したとのこと。重症でなくてホッとしました。今季のいいときの状態であれば、十分にポストシーズンでも戦力になれる投手。残りの数試合で実戦で通用するか確認ですね。


● Spencer Kieboomがメジャー初昇格
先日Chris BostickがDFA(その後パイレーツにトレード)された後、40人ロースターの選手で唯1人メジャーに合流していなかったSpencer Kieboomが招集されました。40人ロースターの選手が全員呼ばれるというのは極めて異常な事態ですが、Wilson Ramosがシーズン終了となってしまい、Jose Lobatonも足首に故障を持った状態で、捕手がほかにPedro Severinoしかいないとなっては仕方ありません。

Kieboomは弟のCaterが今年のドラフト1順目で入団したことで目立ちましたが、本人も2014年シーズンにHagerstown(A)で.309/.352/.500という好成績を残し、打撃が魅力の捕手プロスペクトとして浮上。一昨年、昨年のアリゾナ秋季リーグに派遣され、昨年11月にルール5ドラフトに向けたプロテクションとして40人ロースター入りを果たしています。ただ、故障もあって、昨季も今季も打撃は低迷。今季成績はHarrisburg(AA)で94試合に出場し、.230/.324/.314という残念なものでした。LobatonとSeverinoに故障がない限り出番はないはずですが、もしチャンスがあったら活かしてくるといいですね。

L0-3(6) Diamondbacks (Season 92-66)
Gio(L11-11) 3.2IP 3ER 8H 3BB 4K
Rendon 2/2

Gio Gonzalezのレギュラーシーズン最終登板はぐだぐだでした。毎回毎回2人以上のランナーを許し、1回、3回、4回に各1失点。4回表2死1,3塁としたところで、球数がちょうど100球に到達し、うなだれながら降板することになりました。同郷のJose Fernandezの事故死のショック、雨で試合開始が30分以上遅れ開始後もずっと降り続けていたなど、言い訳できる要因はありますが、それにしても酷かった。本当にこの投手がポストシーズンで先発するのでしょうか。。。

打線は打線で、5回まで毎回の5安打しながらも得点ならず。

雨がひどくなり、6回表1死でのコールド負けとなりました。地区優勝も決まった後なので、風邪を引かない故障しないことが最優先と思えば悪くない判断ですが、球場に足を運んだお客さんには可哀想な試合でした。

W4-2 Diamondbacks (Season 92-65)
Scherzer(W19-7) 6.0IP 2ER 6H 2BB 10K
Melancon(SV14) 10.IP 0ER K
Turner 1/3 BB R 2SB(28,29)
Rendon 1/3 HR(19) R 3RBI

この試合の先発オーダーはこのとおり。

Turner, CF
Werth, LF
Drew, 2B
Rendon, 3B
Zimmerman, 1B
Goodwin, RF
Espinosa, SS
Lobaton, C
Scherzer, P

Bryce HarperもDaniel MurphyもWilson Ramosもいない中、現時点でのナショナルズのベストラインナップを並べたのがこの打線。案の定、序盤は全く機能せず。9月に昇格し、5試合にブルペンから登板した後、この日がメジャー初先発となったMatt Kochの前に5回まで死球によるランナー1人しか出せない始末。Harperは数日で戻ってこられる見込みとのことですが、Murphyは回復が思わしくなく不透明、Ramosはシーズン終了。先が思いやられます。

そんな打線を尻目に、先発のMax Scherzerは6回を2失点、10奪三振といつものようにしっかり投げてくれましたが、それでも6回裏に代打を送られた時点では0-2とリードを許していました。

6回裏、先頭のJose Lobatonがようやくチーム初安打を打つと、続く代打Wilmer Difoが四球を選んだところでKochが交代してくれ、ほっとしたことでしょう。さらに四球で満塁とし、Stephen Drewが犠牲フライを打ってまず1点。さらに2死2,3塁からAnthony Rendonが低めのボールを上手くすくい上げてレフトのブルペンへ放り込む逆転3ラン。苦しいチーム状況の中で4番の仕事をしてくれました。

後はブルペンがきっちり仕事をしてゲームセット。19勝目のScherzerは、次回登板が予定されるレギュラーシーズン最終戦が、20勝、さらにはメッツの3投手との争いとなっているサイヤング賞を賭けた登板となります。

MVP: Anthony Rendon

L4-14 Diamondbacks (Season 91-65)
Roark(L15-10) 4.0IP 5ER 4H 1BB 6K
Giolito 2.0IP 4ER 3H 1BB 1K
Turner 3/5 double 2RBI
Zimmerman 2/4 R
Goodwin 1/2 triple BB 2RBI

地区優勝をピッツバーグで決めて凱旋してきた地元ワシントンでの最初の試合。2回裏にセプテンバーコールアップで上がってきてから頑張りが目立っておりこの日はBryce Harperの代役としてライトで先発したBrian Goodwinのタイムリー三塁打で1点を先制し、ここまではいい感じでしたが、以降はひどいものでした。

4回表に先発のTanner Roarkがつかまり、2本のホームランなどで一気に5失点。その裏にTrea Turnerの2点二塁打などで3点を返して1点差まで詰め寄りましたが、むしろ3点しか取れなかったというイニング。無死満塁からDanny Espinosa、代打Chris Heiseyが連続三振するお粗末な攻撃でなければ、押出四球を出すなどアップアップだったArchie Bradleyをノックアウトできたはずのイニングでした。

そして6回表、1死1,2塁から2番手のYusmeiro PetitがYasmany Tomasにライトへのタイムリー二塁打を打たれて突き放されましたが、この時、バックホームの返球をジャンプしてキャッチしたWilson Ramosが着地したときに右足を故障し、そのままトレーナーに支えられて退場してしまいました。翌日の検査の結果は、手術が必要な右ヒザの腱断裂でシーズン終了。ポストシーズンを前に、チームとしては非常に痛い離脱になります。正捕手となるであろうJose Lobatonは自身も足首の状態が悪く、2週間でわずか1試合しか出場していません。他には若いPedro Severinoがいるだけ(40人ロースターにもまだAAのSpencer Kieboomがいるだけ)。まあ、いっそSeverinoに賭けてもいいかもしれません。

8回からはLucas Giolitoが登板しましたが、Jean SeguraとJake Lambに連続ホームランを浴びるなど、2回で4失点。9月はこれが2試合目で、おそらくこれが最終登板でしょう。投げれば投げるだけ自信を失わせるだけで、8月以降については、なぜ無理やりにメジャーで投げさせるのか育成の観点から疑問が残る起用法となりました。来年はまずはAAAでしっかり自信を付けて、満を持して上げてあげましょう。

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