2月に突入し、スプリングトレーニングまで約2週間となりました。例年どおり、オフの動きとスプリングトレーニングの見どころを整理した記事を準備中ですが、その作業と並行して開幕前恒例のAll Time Natsシリーズの準備を進めているところで、ふと、この記事を書こうと思いました。

All Time Natsシリーズでは、「Starters」として各ポジションでの先発試合数を集計していますが、2016年シーズン終了時点での各ポジションのトップは以下の通り。

P. Jordan Zimmermann 
CA. Wilson Ramos
1B. Adam LaRoche
2B. Danny Espinosa
3B. Ryan Zimmerman
SS. Ian Desmond
LF. Jayson Werth 
CF. Denard Span 
RF. Jayson Werth

レフトとライトの両方がJayson Werthなことが気にはなりますが、いずれにしても、ナショナルズがポストシーズンに初めて進出した2012年より後に活躍した選手がトップを占めるに至っています。

ところが、「投手編」のSAVESの項目を見ると、球団移転時のクローザーだったChad Corderoが未だにトップのまま。つまり、球団がワシントンに移転してきて以来、どのポジションよりも固定できてきていないポジション、それがクローザーなのです。

(2016年シーズン終了時点)
1. Chad Cordero 113
2. Drew Storen 95
3. Rafael Soriano 75
4. Tyler Clippard 34
5. Matt Capps 26
5. Jonathan Papelbon 26
7. Jon Rauch 23
8. Mike MacDougal 20
9. Mark Melancon 17
10. Joel Hanrahan 14

昨シーズンの後半にクローザーを務めたMark MelanconがFAとしてジャイアンツに入団することとなり、このリストに名前のある投手で現時点でナショナルズに在籍している選手はいません。つまり、今年もまた新しい名前がリストに加わることになりそうな状況です。しかも、それが誰になるかさえ分かりません。

こういう状況を踏まえて、この記事では、ALL Time Natsシリーズがカバーしているとの同じ2005年以降の12年間のナショナルズのクローザーの歴史を振り返ってみることにしました。(2007年以前は当ブログを始める前なので、実感はこもっていません)

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2005年
新生ワシントン・ナショナルズの初代クローザーを務めたのは当時23歳のChad Corderoでした。大学時代からクローザーとして活躍し、2003年ドラフト1順目(全体13位)でナショナルズに指名されると、同年8月には早くもメジャーデビュー。9月には初セーブも記録。翌2004年の開幕をセットアッパーで迎え、6月にはクローザーに昇格。順調すぎるくらいのキャリアで迎えたこの2015年は、74試合に登板してナ・リーグ最多の47セーブを記録。6月には月間15セーブのMLBタイ記録を達成し、オールスターに選出されました。シーズン終了後にはサイ・ヤング賞、リーグMVP投票でも得票。まさに絶対的な守護神だったと言っていいでしょう。

2006年
この年もChad Corderoがシーズンを通じてクローザーを務めました。チームの低迷のためセーブ数こそ29に減りましたが、セーブ成功率はむしろ前年より上昇しています。

2007年
シーズン序盤はセーブ失敗が目立ったChad Corderoでしたが、5月半ば以降は安定し、最終的に37セーブを記録。


2008年
今年も当然クローザーを務めるものと見込まれていたChad Corderoがスプリングトレーニング中に右肩の痛みを発症。4月中に6試合に登板したところでDL入りすると、そのままシーズン終了となりました。【Chad Cordero 在任3年】

これによって突如空いたクローザーの席。まず2008年の前半戦はJon Rauchが引き継いで、17セーブを記録。2006年、2007年のセットアッパーからの自然な昇格でした。よく投げたと思いますが、弱小チームのクローザーらしく、フラッグディールトレードでDバックスに放出されていきました。【Jon Rauch 在任0.5年】

Rauchの放出後は、Joel Hanrahanが9セーブを記録。元々は先発でしたが、2007年終盤に見限られ、この年の春にブルペン転向。開幕当初のモップアップから、結果を残してセットアッパーへ、そして8月以降はクローザーとしてしっかり仕事をしました。制球力は甘いものの、球威で三振が取れるピッチングスタイルはブルペン向きだったのでしょう。

なお、Corderoはオフに入って示されたマイナー契約を拒否してFA退団。この2008年は私がブログを始めた年なのですが、少なくとも数年は、「クローザーChad Cordero」を応援することになると思っていたのに、まさかたった6試合だけとは予想だにしませんでした。Corderoは2017年の今日現在でも実はまだ34歳ですが、ナショナルズを去った後のMLBでのキャリアは2010年にマリナーズで敗戦処理として10試合に投げただけで、クローザーとしての復帰は果たせず。肩の故障とはそれほど恐ろしいものだということを示す例となってしまいました。


2009年
Joel Hanrahanがクローザーとして開幕を迎えたものの、10度のセーブ機会のうち5度で失敗し、防御率も7点台というひどい成績で、追われるようにしてパイレーツへトレードされていきました。【Joel Hanrahan在任1年】

ちなみにHanrahanは、2011年、2012年の2年間で計76セーブを記録するなどクローザーとして花開きました。ナショナルズとしては、惜しいことをしたなという印象も残りますが、トレード相手として獲得したのが2012年の初の地区優勝に大きく貢献したブルペン左腕のSean Burnettですから、このトレードは見事なWin-Winだったと言っていいでしょう。

Hanrahanの後は、開幕後にマイナー契約を結んでいた当時32歳のベテランMike McDougalが昇格し、安定感があるとは言えない内容ながら20セーブを記録。しかし、オフに入ると球団は年俸調停対象だったMcDougalに契約を提示せず、いわゆるノンテンダーFAとして退団。(翌年のスプリングトレーニング中に再度マイナー契約を結びましたが、昇格することはありませんでした。)【Mike McDougal 在任0.5年】


2010年
前年はパイレーツでクローザーを務めながらノンテンダーFAとして市場に出ていたMatt Cappsと1年350万ドルで契約。開幕から7月末までの47試合に登板して26セーブ、防御率2.74の好成績でオールスターにも選出される活躍でしたが、あっさりとツインズにトレードされていきました。3年連続でのフラッグディールトレードでのその時点でのクローザーの放出。当時のチーム状態をよく表していると思います。なお、このトレードでナショナルズに来たのがWilson Ramosですから、そういう意味でもCappsの貢献には感謝しています。【Matt Capps在任 0.5年】

8月以降の2か月間で最も多いセーブを記録したのがこの年の5月にメジャーデビューしたDrew Storenでした。ただし、低迷するチームの中でそもそもセーブ機会が少なく、わずかに5セーブ。Storen自身の投球内容も、デビューした5月から7月までは2.61だった防御率が、8月以降の2か月間は4点台後半と低迷するなど不安定なものでした。

2011年
Drew Storenのスプリングトレーニングでの大不振により開幕から10試合ほどはSean Burnettがクローザーを務めましたが、4月半ばには早くもStorenが立場を取り戻しました。以降、シーズンを通じて安定した内容でクローザーとして投げ続け、終わってみれば73試合で防御率2.75の43セーブ(リーグ4位)。この時点でメジャー2年目の23歳。クローザーとしての地位を完全に確立し、今後数年間のクローザーを心配する必要はないかと思わせました。


2012年
当然クローザーと期待されたDrew Storenでしたが、スプリングトレーニング中に右ひじの痛みを発症して骨片除去手術を受けることになってしまい離脱。【第一次 Drew Storen 在任1.5年】

開幕当初は100マイル投手のHenry Rodriguezがクローザーを務めましたが、5月になると大乱調で早々に失格。あのノーコンっぷりはジョークかと思うほどでした。【Henry Rodriguez 在任0.25年】
 
以降は、9月に入るまでTyler Clippardがしっかりと役目を果たして32セーブを記録しました。この年の前後6年間にわたってナショナルズ・ブルペンの中心にあり、通算ホールド数でトップに立つClippardですが、この年は緊急事態の中クローザーとして貢献してくれました。が、9月になるとClippardが調子を落とし、リハビリを経て7月に復帰していたStorenにスイッチ。【Tyler Clippard 在任0.5年】

このStorenがレギュラーシーズン終盤で安定感のある投球を見せ、再びクローザーの地位を取り戻し、ポストシーズンに突入しました。

ナショナルズにとって初のポストシーズンとなった、カージナルスとのNLDS。Storenは第1戦でセーブを記録すると、4戦では同点の9回表を気魄のこもったピッチングで無失点に抑え、その裏のJayson Werthの逆転2ランで勝利投手となりました。が、、、第5戦、2点リードの9回表、あと1死、あと1ストライクまで行きながら、いまだ語り継がれる逆転負けの主役となってしまいました。【第二次 Drew Storen 在任 0.25年】

2013年
NLDSの逆転負けがあったとはいえ、9月の活躍からすればDrew Storenにクローザーを任せてもよかったはずですが、フロントの判断はRafael Sorianoの補強でした。前年までヤンキースでクローザーを務め、FAとなっていたSorianoと1月に2年2800万ドルで契約。68試合で43セーブ、防御率3.11は見た目は立派な数字ですが、内容は良くなかったというのが率直な感想でした。

この間、Storenが不振のためオールスター明けにAAAに降格させられ、この措置についてTyler Clippardが公然と球団批判を展開するという騒動がありました。その後、8月に再昇格したStorenは好投したものの、この頃からClippardとともにトレード放出の噂が飛び交うようになりました。

2014年
この年もRafael Sorianoがクローザーを務め、防御率3.19、32セーブというそれなりの数字を残しましたが、内容は散々で、地区優勝を争っていた9月上旬の試合で3点のリードを守りきれなかったことで遂に失格となりました。オフにはFA退団。【Rafael Soriano 在任1.75年】

Sorianoを降格させた後は、Drew Storenが三度目のクローザー就任。開幕から8月までセットアッパーとして防御率1点台の圧倒的な安定感を示していたこの年のStoren。クローザーを務めた9月も、14試合で10セーブ、自責点0という完ぺきな仕事をしました。

しかし、ジャイアンツとのNLDS第2戦にまたも悪夢が待っていました。1点リードの9回表2死1塁でマウンドに送られ、連打であっという間に同点にされてしまいました。延長18回の末にこの試合を落とし、当然シリーズを落とすことになりました。2012年に続く大事な試合でのセーブ失敗。これにより、Storenではポストシーズンは戦えない、という論調が生まれたのも確かでした。


2015年
NLDSでのセーブ失敗についてはMatt Williams監督の采配ミスとする声が多数であり(私もこれに与します)、Mike Rizzo GMもDrew Storenへの信頼を明言し、特にブルペンを補強することもなく、開幕を迎えました。Storenも期待に応え、7月下旬まで31回のセーブ機会のうち29回で成功。防御率1.73、相手打者を.212/.271/.250に抑え込む素晴らしいピッチングを続けました。チームは地区首位を争っており、Storenがクローザーとして三度NLDSのマウンドに立つことが期待されていました。

ところが、7月28日、この年のチームの運命を変えたJonathan Papelbonのトレード獲得が発表されました。以降、中継ぎに降格したStorenは20試合に登板して防御率6.75。翌年1月にブルージェイズにトレードされ、5シーズンに渡ったStorenのナショナルズでのキャリアは終わりました。いい時期もあれば悪い時期もありましたが、とにかく記憶に残る投手でした。【第三次 Drew Storen 在任0.75年】

Papelbon?8-9月に7セーブを記録しましたが、いろんな意味でチームをぶち壊してくれました。笑


2016年
放出待望論がありながら、(当然ですが)引き取るチームも現れず、Jonathan Papelbonがクローザーのまま開幕。序盤は曲がりなりにも仕事をしていましたが、次第に打たれる試合が多くなり、7月末にMark Melanconをトレードで獲得したことでようやく解雇することができました。37試合で19セーブ、防御率4.39。優勝争いするチームのクローザーの成績ではないですね。【Jonathan Papelbon 在任1年】

フラッグディールトレードで来たMelanconが、30試合で17セーブ、防御率1.82というびしっとした結果でレギュラーシーズンを締めくくると、ドジャーズとのNLDSでも1,2,3,5戦で登板し、計4回1/3を無失点と好投しました。惜しむらくは、Melanconをセーブシチュエーションで送り出せたのが1試合だけだったことでした。【Mark Melancon 在任0.5年】

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以上見てきた通り、2008年以降の9年間にクローザーの地位に就いたと言っていい投手が10人。2年以上クローザーの地位にとどまった投手はいません。Drew Storenが3度務めていますので、「クローザー交代」の回数で言えば実に12回にも及んでいました。強いチームでこれだけくるくるとクローザーが変わるチームはなかなかないでしょう(他球団のことは詳細には調べていませんので当てずっぽうですが)。

ナショナルズが、常勝軍団としてあり続けるために、そしてポストシーズンで勝ち進んでいくためには、やはりクローザーの安定は必要です。

そして、いつの日か、Chad Coderoの記録を破るような大クローザーが生まれてくることを期待して、それが誰になるのか、見守っていきたいと思います。

いつになく静かなオフとなったナショナルズ。いろいろと疑問は残ったままですが、いよいよスプリングトレーニングが近づいてきました。

今年からキャンプ地がフロリダ州のPalm Beachに移転します(安倍総理とトランプ大統領が週末に滞在していたところですね)。昨年までのVierraも同じフロリダ州の東海岸(大西洋岸)でしたが、他球団のキャンプ地が集まっている地域から距離があり、オープン戦のためのバス移動の負担が重かったそうです(4時間くらいかかっていたらしい)。その点、Palm Beach移転後は、新しいファシリティがそもそもアストロズと共同使用となるなど、かなり改善されます。

さて、例年通り、オフの間の動きとスプリングトレーニングの注目点を捕手、先発、ブルペン、内野手、外野手について、まとめてみました。

最初は捕手編です。

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●オフの動き
2011年から6シーズンにわたって(故障していない限り)レギュラーを務めたWilson RamosがFA退団。故障で市場価値を落としはしたものの、無事にレイズと2年契約を結びました。

一方のナショナルズは、オリオールズからFAとなったMatt Wietersに関心を示しているとの噂もありましたが噂に止まり(それでよかったと思います)、12月にパドレスからDerek Norrisをトレードで獲得。2011年オフにGio Gonzalezとのトレードで放出した当時のトッププロスペクトの帰還に古くからのファンの気分は大いに盛り上がりました。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Derek Norris
Pedro Severino
Jose Lobaton
Spencer Kieboom
Raudy Read
[Non-Roster Invitees]
Jhonatan Solano

ここ数年の「健康ならばRamos-Lobaton」という無風状態から一転、競争が予想されます。契約(ともに年俸調停対象)と実績からすると、Norrisが正捕手でJose Lobatonが控えとして開幕を迎えることになりそうですが、Norrisの昨季の打撃・守備成績は決してレギュラーを保証されるようなものではなく、将来性豊かで、昨秋好印象を残したPedro Severinoが正捕手に名乗りを上げる可能性も十分。その場合に弾き出されるのがLobatonとなるかNorrisとなるかは五分五分でしょう。

他にもSpencer KieboomとRaudy Readの若手2人が40人ロースターに名を連ねています。この2人はとりあえず経験を積み、いろいろ吸収することです。(なお、Kieboomは昨年のドラフト1順目、トッププロスペクトのCater Kieboomの兄)

互いに刺激し合う良い競争が展開されることを期待しています。

続いて先発投手編です。

●オフの動き
オフが始まってすぐにGio Gonzalezの今季契約オプションを行使し、ローテーションを組むと目される5人の残留がひとまず確定。一方、5人に何かあった場合に最初に呼ばれるであろう候補だったLucas GiolitoとReynaldo Lopezの2人をトレードで放出し、他方で特に大きな補強をすることもなく(途中ではChris Saleのトレードをホワイトソックスと話したようですが、Saleはレッドソックスへ)、結果、マイナー上位のデプスがかなり心許なくなりました。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Stephen Strasburg
Max Scherzer
Gio Gonzalez(L)
Tanner Roark
Joe Ross
A.J. Cole
Austin Voth 
[Non-Roster Invitees]
Jeremy Guthrie
Vance Worley
Erick Fedde 
Kyle McGowin
Tayler Hill

先発ローテーションを予定する5人の仕上がりが例年以上に重要です。が、それぞれ心配の種を抱えています。まずキャンプに入って最初に注目すべきは、Stephen Strasburgの右ひじが休養だけで回復しているかどうか。スプリングトレーニングに入ってから「やはり手術が必要でした」では約半年を無為に過ごしたことになってしまいます。Joe Rossも昨シーズンのほぼ半分をDLで過ごすことになった原因の右肩の状態がどうなっているか。肩だけに特に心配です。当初、WBCに参加する意思を表明していたMax Scherzerでしたが、1月10日頃に右手薬指の疲労骨折が判明し、辞退。スプリングトレーニングには間に合うとのことですが、投げてみないとわかりません。そのScherzerに代わってWBCに参加することになったのがTanner Roark。一般的にWBCへの参加が調整に悪影響を及ぼすというデータはありませんが、それでも心配です。そして、Gio Gonzalezはいつもの通りアテになりません(いい時はいいんですよ。笑)。

これだけ不安材料があると、6人目以降の投手に開幕ローテーション入りのチャンスが巡ってくる可能性は十分あります。が、とにかく層が薄い。40人ロースターには、昨シーズンの終盤にローテーションで投げたA.J. Coleと、MLBデビュー前のAustin Vothしか候補がいません。マイナー契約に目を転じても、ベテラン勢で明確に先発と目されるのはJeremy Guthrieくらいです。

私としては、Coleを特に応援しています。昨シーズン、最後にやや調子を崩しましたが、それまではいいピッチングをしていたので自信を付けたはず。この春は最初からエンジン全開で行って、5人のうちの誰かに何かがれば当然に開幕ローテーションに組み込まれるような評価を得るようにしましょう。

期待の若手という点では、トレードやらなんやらでふと気が付けば組織内トッププロスペクトとなっていたErick Feddeに注目です。さすがに開幕ということはないでしょうが、シーズン途中のメジャーデビューを視野にどれだけ経験を積むことができるでしょうか。

とにかく5人が健康に。ただそれだけです。

[2017年1月最終更新, 2015年8月オリジナル]

2017年、あけましておめでとうございます。本年最初のブログ更新は、Turnerが打線を引っ張り、今年こそポストシーズンを勝ち抜いてくれることを願って、こちらの記事の更新にしました。皆さま、本年もどうぞよろしくお願いします。(2017年1月)

このシリーズ全体25回は、2014年12月にトレードが決まったものの制度上2015年6月までパドレス傘下に留まるという奇妙な経験をし、そしてこの8月には早くもメジャーにたどり着いたTrea Turnerです。(2015年8月)


[Player Data]
Name: Trea Turner
Position: SS
Born: June 30, 1993
Birthplace: Boynton Beach, FL
School: North Carolina State University
Height: 6-1
Weight: 175
Bats: Right
Throws: Right
Draft: 2014-1(13) *Padres
Acquired: Trade(December 2014)
BA Organization Rank: 2(2015) →2(2016)
BA Overall Rank: 65(2015) →9(2016)

[Scouting Report]
何と言っても売りはスピード。盗塁数はもちろん、内野安打の多さも圧倒的。守備でも俊敏な動きも目を引くほど。この足を活かしたエネルギッシュなプレーでチームを引っ張る選手となることが期待される。

コンタクト中心のため長打力はそこまで期待できないが、将来的には10本塁打前後は打てると見込まれる。選球眼はそれなりに良く、.350程度の出塁率は期待できることからリードオフも十分勤まる。

守備の動きも素晴らしく、必ずしもロケットアームというわけではないが十分ショートとしてやっていける見込み。

(2017年1月 追記)
チーム事情から2016年シーズン後半はセンターを守った。急造らしい粗さも見られたが、守備範囲、肩とも及第点を与えられるものだった。オフにAdam Eatonをトレーで補強し、2017年シーズンにはショートに戻る見込み。

[Background]
高卒時にもパイレーツからドラフト20順目で指名されたが、このときは進学を選択。大学は名門ノースカロライナ州立大で、1年からレギュラーとして活躍し(1年のときはサード、2年以降はショート)、毎年3割を軽く超える打率とリーグトップクラスの盗塁数を記録。

2014年ドラフト1順目全体13位でパドレスから指名されるとすぐに契約し、Eugene(A-)に合流。必ずしも成績を残したわけではなかったものの、1か月足らずでFort Wayne(A)し、ここで46試合216打席に立って.369 /.447/.529と結果を残した。秋にはアリゾナ秋季リーグに派遣され、そこでも9試合で打率4割、加えて7盗塁と自慢の足も披露。

このように順調なプロ1年目を終えたTurnerであったが、2014年12月にパドレス、ナショナルズ、レイズの3球団の間で11人もの選手が動く大型トレードで、ナショナルズに移籍することが決まった。ただし、ルール上、ドラフト後の入団契約から丸1年が経過するまではトレードが認められないため、形式上はPTBNLと発表された。

オフの間に何らかのアレンジが組まれることもなく、パドレス傘下のSan Antonio(AA)の選手として迎えた2015年シーズン。微妙な立場ながら58試合254打席で.322/.385/.471という文句のつけようのない成績をしっかりと残し、リーグのオールスターにも選出。

そして、2015年6月14日、晴れて正式にナショナルズに移籍。

ナショナルズ傘下では、当初Harrisburg(AA)に合流したものの.359/.366/.513と結果を残し、わずか14試合でSyracuse(AAA)へ昇格。最初の5試合は18打席ノーヒットと一瞬苦しんだが、直後に13試合連続ヒットを記録。その後も順調に記録を残し、オールスター前座のFutures Gameに選出・出場。8月20日までの48試合205打席で.314/.353/.431、14盗塁を記録し、ドラフト指名からわずか1年2か月後の8月21日にメジャー昇格し、同日途中出場でデビューを果たした。当初はベンチを温めることが多く、なかなか初安打も出なかったが、9月に入ると、初安打、初本塁打を記録。シーズン後のプロスペクトランキングでは、組織内ではLucas Giolitoに次ぐ2位ながら、メジャー全体でトップ10前後(BAの全体9が最高)の高い評価を受けるに至った。

迎えた2016年シーズンの活躍は2016年のシーズンレビューで書いた(記事へのリンクはこちら)のでここでは割愛しますが、MLBを代表するスター選手になる可能性さえ感じさせてくれる素晴らしいシーズンとなりました。

[Comment]
期待に違わぬ、いや、期待を上回る内容でメジャーに定着しました。2017年は、他球団から研究されることで、いわゆる2年目のジンクスに陥る可能性もありますが、「足にスランプはない」のであまり心配はしていません。このままスター選手への道を歩んでくれることでしょう。(2017年1月)

まさかこの記事を書く前にメジャーデビューを果たすとは予想していませんでした。マイナーでの成績は十分。このオフにFAとなる予定のIan Desmondの後釜としてすんなりメジャーに定着することを期待しては期待し過ぎでしょうか。(2015年8月)

[2017年1月更新, 2015年12月更新, 2015年3月更新, 2014年5月オリジナル]

2014年の第2弾、全体第12回は2013年ドラフトの最上位指名入団のJake Johansen投手です。

[Player Data]
Name: Jake Johansen
Position: RHP
Born: January 23, 1991
Birthplace: Allen, Texas
School: Dallas Baptist University
Height: 6-6
Weight: 235
Bats: Right
Throws: Right
Draft: 2013-2 WAS
Acquired: Draft
BA Organization Rank: 7(2014)  ⇒17(2015) ⇒ NA(2016)
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
6フィート6インチ(195センチ)という長身から投げ下ろす最速99マイルの速球を持つが、腕力で投げているという感じで、速球のムーブメントは低評価。カーブ、チェンジアップ、カッターと変化球もいろいろ投げるがいずれも評価は高くない。投球フォームも安定せず、制球力は平均以下。

当初は先発投手として期待されたが、2014年シーズン途中にブルペンに転向。。将来もしメジャーに上がってくるとしてもブルペン投手という見方が大勢。

[Background]
2013年ドラフトで、オフにFAのRafael Sorianoと契約したために1順目指名権を失ったナショナルズが2順目全体68位で最初に指名した選手。あまりコンペティティブでない大学で15先発88回1/3を投げて75奪三振、5.40/1.53と平凡以下の数字しか残しておらず、しかもシニア(4年生)。BAの直前ランキングでは182位(5‐6順目相当)にランクされていた。ドラフト直後に、Rizzo GMは同じテキサンのJosh Beckettを比較対象として名を挙げ先発として育成する方針を明らかにしたが、大方の予想はブルペン投手。ということで、ドラフト直後には失望したコメントが目立った。

ところが、意外といっては失礼だが、素晴らしいプロデビュー。指名の翌日にスロット金額で契約してすぐにAuburt(SS)に合流すると、10試合に先発して42.1イニングで44奪三振、18四球、1.06/0.94と支配的なピッチングを見せ、シーズン終盤にはHagerstown(A)に昇格。そこでは少し打たれたものの、それでもシーズンを通じての数字は51 回2/3を投げて51奪三振。23四球はやや多いが、それでもかなり評価を上げた。

2014年はAのローテーション投手として開幕し、19試合に登板(18先発)させたもらったものの、結果は5.09/1.76と散々。7月下旬にブルペンに転向させられたが、以降の10試合でも5.94/1.62とやっぱりダメ。年齢的に簡単にクリアすべきステップで躓いたことでプロスペクトとしての期待感は一気に薄れてしまった。

年齢的にのんびりしていられないという判断もあったのでしょう。2015年の開幕はPotomac(A+)。案の定、通用せず。開幕から12試合にロングリリーフとして登板したが、うち9試合で失点(5.76/1.85)。いったんDL入りして7月末に復帰した後はショートリリーフとして使われたが、やはり12試合で4.95/1.75という成績。与四球率が前年より上昇しているなど内容も良くなかった。BAのランキングではチーム内トップ30からさえも姿を消す体たらく。

2016年も開幕はPotomac(A+)。6試合9回1/3を投げて被安打、与四球各11でDL入り。6月下旬にGCLに合流し、7月中旬からシーズン終了まで在籍したHagerstown(A)では11試合中9試合で無失点だったが、リーグ平均年齢を3歳以上上回ってなので当然と言えば当然。もう終わったに等しい選手だが、AFLに派遣されて登板9試合のうち7試合で無失点と最低限の結果を残した。

[Comment]
AFL後のルール5ドラフトで指名する球団がなかった事実が現時点での評価を物語っています。奇跡的な覚醒がなければ、ナショナルズでのキャリアはまもなく終わりそうです。(2017年1月)

年齢的にオーバースペックなはずのA+でブルペン投手として使われて全くダメでは話になりません。中途半端なイニングまたぎとかさせず、完全1イニング限定のブルペン投手として起用としてはどうでしょうか。それでだめならもう。。。(2015年12月)

どちらに転ぶかと注目された2014年は完全な失敗に終わってしまいました。既に24歳となり、ノンビリしている余裕はありません。このままBustで終わってしまうのか・・・。(2015年3月)

期待が低かった割にはよくやっているというのが率直な印象。最近のナショナルズは、Alex Meyer、Robbie Rayといった素材系の投手プロスペクトを比較的上手く育てている印象があるので、その流れに乗ってほしいですね。(2014年5月)

2008年から続け、10年目に突入しようとしている私のブログですが、初めて殿堂入りに関する記事を書くことになりました。祝。

1月18日に投票結果が発表された2017年の殿堂入り選手。この中に、2010-2011年にナショナルズでプレーしたIvan Rodriguezが入りました。ワシントン移転後のナショナルズでプレーした選手では初めての殿堂入りです。

プエルトリコ出身で1991年にメジャーデビュー。捕手として、21シーズンにわたりプレーしました。守っては捕手として史上最多の13回のゴールドグラブ賞受賞(座ったまま二塁に矢のような送球を送るシーンを見たときは度肝を抜かれました)。打っても7回のシルバースラッガー賞は、捕手ではMike Piazzaの10回に次ぐ2位。オールスター選出14回。レンジャーズ時代の1999年にはア・リーグMVP。2003年にはワールドシリーズ制覇にも貢献しました(カブスと戦ったNLCSではシリーズMVPの活躍。)。という見事な実績を残し、史上最高の捕手の1人という評価を得てきましたので、今回の殿堂入りは当然といえば当然の結果でしょう。

そんなRodriguezが現役最後の2シーズンを過ごしたのが2010年、2011年のナショナルズでした。38歳と39歳のシーズンで、故障もあったため、2シーズンでわずか155試合の出場に終わりましたが、Rodriguezの欠場により出場機会を得たWilson Ramosへの影響という点で大きな貢献をしてくれたと思っています。Ramosが2010年途中にトレードでツインズから加入してきたのが、Rodriguezの1年目の夏。そして、Rodriguezが故障で長期離脱した2011年はRamosがメジャーの正捕手としての地位を確立した年となりました。この1年半の間、Rodriguezから学んだことが、その後のRamosの成長に役立ったことは間違いないでしょう。

もっとも、Rodriguezが最も輝いていたのはデビューから12年間を過ごしたレンジャーズ時代。クーパーズタウンに飾られるレリーフは当然レンジャーズのキャップを被った姿となることでしょう。

そこで、話題となっているのが、この先、ナショナルズのキャップを被ったレリーフが飾られことがあるとすれば、それは誰のものになるだろうかという点です。まず名前が挙がるのはBryce Harperですが、そもそもまだ成績が不十分ですし、仮に成績を積み上げるとしても、それが2018年シーズン後に大型長期FA契約を結んだ球団でのことなら、そちらのキャップを選びそうな気もします。Stephen Strasburgは故障がちなため実績を積み上げることが難しいだろうというのが、現時点での現実的な評価。意外と一番可能性がありそうなのが、Max Scherzerではないでしょうか。既に2度のサイ・ヤング賞を受賞し、実績としてはかなりのものです。通算勝利数125は全く不十分ですが、ナショナルズとの契約が残る今後5年間に年平均15勝すればちょうど200勝に到達します。200勝でもまだ物足りない、という感じなので、どれだけ上積みできるかにかかっているでしょう。さらには、ポストシーズンでの活躍もあれば、加算点となるはず。最終的に、ナショナルズ在籍は通算7年になり、タイガースでの5年を上回りますので、ナショナルズのキャップを選んでくれる可能性は高いはず。まあ、それもこれも、まだ大分先の話ですね。

ともかくも今日は、Pudge Rodriguez、おめでとう!

1/13 Neal Cottsとマイナー契約
1/13 Bryce Harper、Tanner Roark、Anthony Rendon、Derek Norrisと年俸調停を回避して1年契約
1/26 Stephen Drewと1年契約、Grant Greenとマイナー契約
1/28 Vance Worleyとマイナー契約
1/31 Joe Nathan, Matt Albersとマイナー契約

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● Neal Cottsとマイナー契約
来季開幕時には37歳となる大ベテランのブルペン左腕、Neal Cottsとマイナー契約で合意しました。スプリングトレーニングに参加します。

ホワイトソックスやレンジャーズで中継ぎとして活躍した強い印象があります。2015年シーズンはブリューワーズとツインズで計68試合に登板し、防御率3.41と悪くない結果を残しましたが、どういうわけか2016年シーズンはメジャー契約を得ることはできず、開幕後もエンゼルス、ヤンキース、レンジャーズのAAAで41試合に登板して防御率3.83ましたが、メジャーで投げることはできませんでした。

どれだけ力が残っているかは分かりませんが、ブルペン左腕の保険としては悪くないと思います。


● Bryce Harper、Tanner Roark、Anthony Rendon、Derek Norrisと年俸調停を回避して1年契約
年俸調停対象だったBryce Harper、Tanner Roark、Anthony Rendon、Derek Norrisの4選手とそれぞれ1年契約で合意しました。

Bryce Harper 1362.5万ドル
Tanner Roark 431.5万ドル
Anthony Rendon 580万ドル
Derek Norris 420万ドル

このうち、Bryce Harperの年俸が前年の500万ドルから跳ね上がったことが多少の驚きをもって報じられています。年俸調停対象選手の年俸を事前に推定しているMLB Trade RumorがHarperについて出していた900万ドル程度とかなり大きなかい離が生じたためです。

もっとも、Harperとの契約に関しては複雑な経緯があり、それを踏まえると、まあこんなものかなとも思います。話は2010年のドラフト時にさかのぼりますが、そこから2014年までの経緯は2014年12月に2年契約(2015/2016年シーズン分)を結んだ時の記事をご参照ください(リンク)。この記事の中でカギとなるのは、「2016年の500万ドルについては、仮に2015年の年俸が250万ドルで2015年にHarperがスーパースター級の活躍をした場合には割安になると言えるもの。また、2017年の年俸調停のベースになるのもこの500万ドルとなるため、それ以降の年俸もある程度コントロールできるようになりました。」の部分。その後、ご承知のとおり、2015年にHarperはリーグMVPを受賞する大活躍。2016年の年俸は、もしこの2年契約を結んでいなければ年俸調停プロセスで1000万ドルにも達していたはずと言われましたが、現実にはこの契約のために500万ドルという超格安となりました。Rizzo GMにしてみれば「してやったり」でしたが、Harper側にしてみれば「取りっぱぐれた」という印象が残っても仕方がないものでした。一方2016年シーズンが、一転してHarperとしてはかなり残念なシーズンとなってしまったのもまた周知の事実。これらを前提にしたのが、MLB Trade Rumorの弾き出した約900万ドルという数字でした。球団側としては、これくらいの数字を示すことで年俸調停プロセスで勝つことができたはずでした。純粋にビジネスライクに処理すれば。

しかしそれでは、Harper側としては、「2015年と2016年の成績が逆だったら」とか、「あの2年契約を結んでいなければ」、もっと言えば「Rizzo GMに一杯食わされた」と後悔する気持ちになっても仕方ないところ。実際、交渉の中でそういう見解がBorasから示された可能性は十分あります。

今回合意に至った1300万ドル余りという金額は、昨年も通常の年俸調停プロセスを経ていたとしたら達したであろう2016年の年俸額をベースに、2016年シーズンの成績を踏まえたものと考えて差支えない数字。おそらくは、Harper側の主張にかなり沿ったものでしょう。逆に球団側としては、相当譲歩したと言っていいでしょう。2016年分の経費が数百万ドル節約できたことで満足し、2017年・2018年は市場価格相当を支払ってもいいと判断することは十分合理的ですが、MLBの慣行・年俸調停のプロセスに従えば必ずしも必要ない譲歩です。球団側がこのような異例の譲歩した理由は、あと2年で切れる保有期間を超えての長期契約を念頭に置いて、Harper側の上記のような気持ちを少しでも緩和することにあったことは間違いないと思われます。つまり、ナショナルズは、あと2年間Harperを相対的に低年俸でこき使ってサヨナラするのではなく、真剣に契約延長の意図があることを内外に示したと考えられます。Harperは入団前にヤンキースファンであることを公言していたこともあり、2018年シーズンが終わったらナショナルズあらFA退団し、ヤンキースに(もちろん史上最高額を支払わせて)移籍することが既定路線かのように言われていますが、まだまだナショナルズも諦めていないということです。

「Stephen StrasburgとBryce Harperの時代」として後世に語り継がれる時期が少しでも長くなることが(もちろんその間にワールドシリーズを制してくればなりませんが)、ナショナルズファンの願いです。今回の譲歩によって育まれたであろう信頼関係が、長期契約に向けた交渉の土台となってくれることを切に願います。頼むよ、Rizzo GM、そしてBorasちゃん!

● Stephen Drewと1年契約
ナショナルズとの1年契約を満了しFAになっていたStephen Drewと再契約しました。1年350万ドル+インセンティブと報じられています。2016年シーズンは、耳の病気で頭痛と平衡感覚の異常に悩まされながらも(7月から9月の約2か月間はDL入り)、266/.339/.524の好成績。33歳とはいえ、チームによってはまだサードやセカンドならレギュラーが務まる選手で、再契約は難しいかなと思っていましたが、やはり健康問題が敬遠されたのかもしれません。もちろん、今回のナショナルズとの契約前に身体検査で耳も含めて問題ないことを確認済みです。これでWilmer Difoしかいなかったセカンド・ショートの控えが、かなり厚くなりました。

それにしても、このオフにナショナルズが契約を結んだFA選手は11月のChris HeiseyとこのDrewという、ともに再契約のベンチバットの2人だけ。まもなく2月になるのですが、メジャーリーガーの補強はもう終わりなんでしょうか。。。

● Grant Greenとマイナー契約
29歳の右打ち野手、Grant Greenとマイナー契約で合意しました。スプリングトレーニングに参加します。元々は二塁手でしたが、近年は外野も含めいろいろ守るユーティリティの扱い。

元々は2009年のドラフト1順目全体13位でアスレティックスが指名した選手(ちなみに、1順目1位がStephen Strasburg、10位がDrew Storen。年齢的にも2人と同期)。マイナーでは打ちに打って、2010年から12年頃には全体でもトップ100に入るプロスペクトとして期待されましたが、メジャーデビュー後はどういう訳かからっきし打てなくなり、2013年から16年にかけてアスレティックス、エンゼルス、ジャイアンツでメジャーとマイナーを行ったり来たりの生活。メジャー通算350打席で.251/.286/.339、4本塁打という微妙極まりない成績を残しています。

キャンプではWilmer Difoなんかと最後のベンチの席を争うことになりそうです。


● Vance Worleyとマイナー契約
29歳の右腕投手、Vance Worleyと、スプリングトレーニングへの招待付きのマイナー契約を結びました。

ナショナルズファンとしてはフィリーズで先発を務めていた印象が強い投手。ルーキーイヤーの2011年に11勝を記録しましたが、その後、ツインズ、パイレーツとトレードされる中で次第に成績を落とし、2015年はパイレーツで、そして2016年はオリオールズで、ロングリリーフ・スポットスターターの役回りをしてきました。2016年は35試合(うち4先発)で86回2/3を投げて3.53/1.37という、役目を考えれば上出来な成績を残しました。

現時点ではマイナー契約とはいえ、ぽっかり空いているロングリリーフのポストに収まって開幕を迎え、さらには先発投手陣のデプスが甚だ心許ない今季のナショナルズなのである程度先発としても活躍してくれる可能性は十分あるとみています。

● Joe Nathan, Matt Albersとマイナー契約
「クローザー」の補強はしないままオフが終わりそうなナショナルズですが、2人のブルペン右腕とマイナー契約を結びました。

Joe Nathanはツインズやレンジャーズでクローザーを務め、通算377セーブ(現時点で歴代8位)。この間、オールスター選出6回という大投手です。39 歳だった2014年でもタイガースで35セーブを記録しました(防御率は4点台ながら)が、40歳で迎えた2015年の初めに2度目のTJ手術。それでも引退せず復帰してきたのは立派とはいえ、過去2年間は、計11試合、6回2/3しか投げていません。今シーズン、いきなりナショナルズのクローザーとして大車輪の活躍を期待するのはさすがに無理でしょう。Blake TreinenやKoda Gloverといった若手をクローザーとしてOJTで育成しようというのがチームの方針であれば、Nathanのような大ベテランを保険として置いておくのは悪くないとか思います。契約上、3月24日にFAに戻る権利を持っているようです(よくある3月末より少し早いですね)。それまでに結果を出せば、40人ロースター入りとなりますが、はてさて。

Matt Albersのほうは、メジャー11年間、6球団を渡り歩き、主に中継ぎとして452試合に登板してきた34歳。セーブはありません。昨シーズンは、ホワイトソックスで58試合に登板し、51回1/3を投げて、6.31/1.68という記録が残っています。

G PA R HR RBI BB SO BA OBP SLG SB
Wilson Ramos 131 523 58 22 80 35 79 .307 .354 .496 0
Jose Lobaton 39 114 10 3 8 12 18 .232 .319 .374 0
Ryan Zimmerman 115 467 60 15 46 29 104 .218 .272 .370 4
Clint Robinson 104 224 16 5 26 20 38 .235 .305 .332 0
Daniel Murphy 142 582 88 25 104 35 57 .347 .390 .595 5
Anthony Rendon 156 647 91 20 85 65 117 .270 .348 .450 12
Danny Espinosa 157 601 66 24 72 54 174 .209 .306 .378 9
Bryce Harper 147 627 84 24 86 108 117 .243 .373 .441 21
Jayson Werth 143 606 84 21 69 71 139 .244 .335 .417 5
Trea Turner 73 324 53 13 40 14 59 .342 .370 .567 33
Ben Revere 103 375 44 2 24 18 34 .217 .260 .300 14
Michael Taylor 76 237 28 7 16 14 77 .231 .278 .376 14
Stephen Drew 70 165 24 8 21 16 31 .266 .339 .524 0
Chris Heisey 83 155 18 9 17 13 44 .216 .290 .446 0

Daniel Murphy、Anthony Rendon、Danny Espinosa、Bryce Harper、Jayson Werth、Wilson Ramosの6人。ファーストとセンター以外のポジションは開幕時の選手が故障や大きな不振なくレギュラーを守ったということですから悪くなかったのではないかと思います。
【捕手】
Wilson Ramosが開幕から絶好調。6月終了時点で打率.340、12本塁打の好成績で初のオールスターに選出を果たしました。夏場以降やや調子を落としながら、それでも最終成績は.307/.354/.496、22本塁打、80打点。まさに大ブレイクのシーズンとなりました。ところが、9月26日の守備で右膝に重傷を負ってシーズン終了。NLDSには出場さえできませんでした。オフにはFAとして市場へ。既にレイズと2年契約を結びましたが、あの故障さえなければもっといい契約を得られていたはずなので、実に惜しかったと言わざるを得ません。
控えはもっぱらJose Lobatonが務めましたが、この打撃成績は物足りません。9月に呼ばれて16試合に出場したPedro Severinoが攻守に高い評価を得ており、来季以降の活躍が期待されます。
【内野手】
ファーストはRyan Zimmermanが108試合に先発しましたが、打撃成績は自身キャリアワースト。故障の影響もあるのかなあ。長年のナショナルズファンとしてはやはりZimに活躍してほしい。低迷する姿は寂しい限りです。Zimmermanの離脱中はClint Robinsonがファーストに入ることが多かったのですが、打撃成績は今一つ。特に長打力の低下はRobinsonの価値を大きく下げてしまっています。
セカンドは、オフにFA入団したDaniel Murphyが115試合に先発出場。開幕から打撃好調で、(メッツに在籍してた)昨シーズン後半からポストシーズンでの活躍がまぐれでないことを示しただけでなく、6月前半まで4割前後の打率を維持し、5月と7月にはナ・リーグの月間MVPも受賞するなど、すっかりMLBを代表する打者となりました。もちろんオールスターにも出場。最終的な打率は.347となり、首位打者は惜しくもロッキーズのDJ LeMahieuにさらわれましたが、リーグ2位。シーズンが進むにつれて長打力も発揮し、キャリアハイの25本塁打。47本の二塁打を積み重ねたこともあり、長打率.595はなんとナ・リーグトップでした。シーズン終盤に足の付け根を痛め、先発出場できませんでしたが、地区優勝はほぼ手中にしてのこと。ポストシーズンでは、全5試合に出場して、.438/.545/.438としっかり活躍してくれました。シーズン終了後のリーグMVP投票でもKris Bryantに次ぐ2位。シルバースラッガー賞も受賞。大成功のFA契約でした。
サードはシーズンを通じてAnthony Rendonがしっかり務めました。攻守とも全く文句ありません。欲を言えば霧はありません。来季も健康にしっかり、お願いします。それだけです。
ショートはDanny Espinosaが152試合に出場。Ian Desmondの退団でようやく巡ってきたショートでの出場機会をぎりぎりで何とか手放さなかったという感じですが、打撃成績では惨憺たるもので、先日エンゼルスにトレードされていきました。詳細はトレード時の記事をご覧ください。
【外野手】
前年のナ・リーグMVPとして迎えたBryce Harperの2016年シーズン。4月は、長打率.714、9本塁打、24打点の大活躍でリーグ月間MVPを受賞。このまま黄金期に突入かと思われましたが、5月5-8日のカブスとの4連戦で19打席で13四球(うち4敬遠)と徹底的に敬遠されてからおかしくなりました。長打が出なくなり、それまでの27試合で10本打っていた本塁打が以降は116試合で14本と1/3以下のペースに落ち込みました。スラッシュラインも、以降は.238/.358/.395という(Harperでなくても)ひどいの数字。カブスを107年ぶりのワールドシリーズ制覇に導くことになるJoe Maddon監督に完全にしてやられました。なお、ポストシーズンでも5試合24打席で.235/.458/.294、本塁打なし、1打点と活躍できませんでした。
レフトのJayson Werthは、7年契約の6年目でまさかの復活を遂げました。前年の低迷でもう完全に不良債権かと思っていましたが、まさかの131試合に先発出場。決して主軸を打てる打撃成績ではありませんが、6月に2度のサヨナラ打を打ったり、NLDSでも第3戦でKenley Jansenからホームランを打ったりと、印象的な活躍をしてくれています。不良債権間違いなしと言われた、7年契約もいよいよ最終年。38歳。おそらくそのまま引退でしょう。有終の美を期待しています。
今シーズンの最大のポイントとなったポジションが、センターでした。先日のチーム新人王の記事で書いた通りですが、期待されたBen RevereとMichael Taylorが全くだめで、Trea Turnerの出場機会として活用されることになりました。オフに入ると、RevereをノンテンダーFAにした後、Adam Eatonをトレードで獲得。Turnerは(Espinosaのトレードで空いた)ショートへコンバート、Taylorは完全な控えとなります。
【先発】 

W L GS CG IP SO ERA WHIP HR/9 K/9 K/BB
Max Scherzer 20 7 34 1 228.1 284 2.96 0.97 1.2 11.2 5.07
Tanner Roark 16 10 33 0 210.0 172 2.83 1.17 0.7 7.4 2.36
Gio Gonzalez 11 11 32 0 177.1 171 4.57 1.34 1.0 8.7 2.90
Stephen Strasburg 15 4 24 0 147.2 183 3.60 1.10 0.9 11.2 4.16
Joe Ross 7 5 19 0 105.0 93 3.43 1.31 0.8 8.0 3.21
A.J. Cole 1 2 8 0 38.1 39 5.17 1.33 1.6 9.2 2.79
Reynaldo Lopez 5 3 6 0 44.0 42 4.91 1.57 0.8 8.6 1.91
Lucas Giolito 0 1 4 0 21.1 11 6.75 1.78 3.0 4.6 0.92
チーム投手MVPはナ・リーグのサイ・ヤング賞投手、Max Scherzer。当然ですね。先発数、投球イニング、勝ち星、奪三振WHIP(つまり防御率を除くほぼすべてのスタッツ)でチーム先発陣トップですから。玉に瑕と言えば、被本塁打が少し多いくらいでしょうか。大型FA契約で入団して2年目で、しっかり結果を残しました。
そのScherzerを防御率で上回ったのがTanner Roark。2.83はナ・リーグ6位。2015年にはチームの都合に振り回されましたが、今季は、まず4月23日に1試合15奪三振というキレッキレの登板を見せると、その後も安定したシーズンを送り、ポストシーズンに至るまでローテーションを守り切りました。2014年に見せた先発適性は本物であったことを十二分に示し、来季も先発の柱として期待されます。
「山あり谷あり」という印象が残ったStephen Strasburg。FA前最終年として迎えた今季。開幕から好調だったこともあってこのままFA市場で出ることが濃厚と思われた矢先の5月、突如7年の契約延長に合意してくれました。その後も好調は続き、背中の痛みで6月のDL入り(その影響でオールスターも欠場)したものの復帰後も白星を重ね、7月15日を終えた時点でなんと13勝0敗。7月のリーグ月間MVPも受賞し、このままサイ・ヤング賞への道を突き進むかと思われました。が、8月に入って3連敗、その上、肘痛のため再びDL入り。マイナーでの調整登板だけで復帰してきましたが、9月7日の復帰戦、3回表のイニング途中で右腕を抑えながら途中降板し、そのままシーズン終了となりました。ひとまず2度目のTJ手術という事態には至らず、リハビリを続けていますが、来春、どういう状態でキャンプインしてくるか、心配でなりません。
もう1人、けがに泣かされたのがJoe Ross。昨季彗星のように現れ、そのまま今季もローテーション投手として開幕。4月に3連勝で地位を固めると、その後もローテーションで投げ続けましたが、7月に肩を痛めてDL入り。肩だけに心配しましたが、休養とマイナーでのリハビリ登板を続けて9月下旬に復帰。ポストシーズンでも投げましたが、まだ本調子ではなかった。こちらもキャンプでの状態が注目されます。
はっきり残念なシーズンだったのがGio Gonzalez。パパになって初めてのシーズンではりきっていたのか、開幕から5月半ばまでは好投していました。が、5月23日に3被弾で7失点と打ちこまれると、以降シーズン終了までの防御率は5.58という惨憺たるもの。NLDSでも第3戦で先発しましたが、5回裏を投げ切れずに終わりました。オプションが行使され来季もローテーションで投げることはほぼ確実ですが、奮起してもらいたいですね。
Strasburg、Rossが故障離脱したことにより回ってきた先発機会。最初に試されたのは、トッププロスペクトのLucas Giolito、そしてReynaldo Lopezでしたが、2人とも必ずしも期待に応えることはできず。結果的に9月はA.J. Coleが穴を埋めることになりました。3人については、それぞれProspect Profileの記事をご参照ください。(Gioilto、Lopez、Cole)
【ブルペン】
SV HD G GF IP SO ERA WHIP HR/9 K/9 K/BB
Blake Treinen 1 22 73 17 67.0 63 2.28 1.224 0.7 8.5 2.03
Shawn Kelley 7 13 67 26 58.0 80 2.64 0.897 1.4 12.4 7.27
Oliver Perez* 0 15 64 7 40.0 46 4.95 1.450 0.9 10.4 2.30
Felipe Rivero* 1 16 47 8 49.2 53 4.53 1.168 0.7 9.6 3.53
Matt Belisle 0 4 40 6 46.0 32 1.76 1.087 0.4 6.3 4.57
Jonathan Papelbon 19 1 37 30 35.0 31 4.37 1.457 0.8 8.0 2.21
Sammy Solis* 0 9 37 10 41.0 47 2.41 1.268 0.2 10.3 2.24
Yusmeiro Petit 1 1 36 16 62.0 49 4.50 1.323 1.7 7.1 3.27
Mark Melancon 17 0 30 28 29.2 27 1.82 0.809 0.3 8.2 9.00
 (*は左投手)
7月末のトレードでMark Melanconを迎え、ようやくJonathan Papelbonを首にしました。遅い。ともかく、以降NLDSに至るまで、Melanconが実にいい仕事をしてくれましたが、そのMelanconがFAで退団(ジャイアンツに入団)してしまったため、ナショナルズの来季のクローザーは白紙状態です。
中継ぎ陣は皆それぞれによく頑張ってくれたと思います。前半戦だけならホールド数トップだったFelipe Rivero。将来のクローザー候補の左腕でしたがMelanconとのトレードでパイレーツに放出。73試合登板とシーズン通じて頑張ってくれたBlake Treinenがホールド数ではトップと大車輪の活躍。シーズン終盤はこのTreinenとShawn Kelleyがメインセットアッパーを務めました。
(なんとか間に合った)最後は、恒例の開幕前のシーズン予想の答え合わせです。ご笑納ください。

(青字が開幕前の予想。)


1. Papelbonが故障離脱し、Riveroがクローザーに
結局ナショナルズのクローザーとして開幕してしまったJohnathan Papelbon。しかし、被弾が多く、試合を壊すこともあり、登板するだけでブーイングの嵐。4月下旬に肩の痛みを発症してDL入り。そのままシーズン終了。当初はShawn KelleyとFelipe Riveroの2人が試されるが、次第にRiveraがクローザーの地位を確立する。Riveroは最終的に32セーブを記録。

△ 不安定なピッチングながらなんだかんだと7月下旬までPapelbonがクローザーを務め、チームトップの19セーブ。Mark Melanconのトレード獲得でようやく解雇。以降、Melanconが17セーブを記録。なお、Riveroはセットアッパーとして活躍し、Melanconとのトレードでパイレーツに移籍して、2チームで計26ホールドを記録。


2. Strasburgがノーヒッターを記録、サイ・ヤング賞受賞
Stephen Strasburg が、4月28日のフィリーズ戦で、17奪三振、与四球2のノーヒッターを達成。これを含め4完投勝利を飾るなどシーズン通じ圧倒的なピッチングを展開。20勝、250奪三振、防御率2.20という好成績でサイ・ヤング賞を受賞。

△ 投手レビューで書いた通り、7月下旬に一瞬だけサイ・ヤング賞候補と言われましたが、残念な形でシーズン終了。ノーヒッターもならず。なお、MLB全体でもノーヒッターは4月のJake Arrietaのみ。打高投低の気配なのでしょうか。


3. Scherzerが完全試合を達成
Max Scherzerが開幕戦白星を飾ると、4月だけで5勝するなど、前半戦はチームを引っ張るピッチング。オールスター空けにしばらく調子を落とすものの、9月に入ると再び調子を上げ、13日のメッツ戦では完全試合を達成。最終的には16勝、210奪三振、防御率3.00。メジャー初本塁打も記録する。ポストシーズンでもエースとしての活躍を見せる。

△ サイ・ヤング賞の記事、投手レビューも参照ください。開幕戦では勝ち負けが付かず(チームは延長戦勝利)、やや出遅れた感じで4月は2勝止まりでしたが、尻上がりに調子を上げて8、9月に各4勝を積み上げ、チーム最終戦でも勝利投手となってシーズン20勝を達成しました。20勝、34先発、228.1投球回数、284奪三振はいずれもリーグトップ。防御率も2.96と私の予想をかすかに下回る好成績を残し、見事にサイ・ヤング賞を受賞。NLDSでもエースとして第1戦と第5戦に先発しましたが、どちらもチームを勝たせることはできなかったので、これは来季の課題。ホームランはありませんでした。

4. Turnerが6月に昇格、新人王
Trea Turnerの昇格は6月7日。しばらくはなかなかヒットがでないものの、ベンチ・フロントは我慢してレギュラー起用。これに応え、7月に3割を超える打率、盗塁や内野安打、三塁打を量産。センセーションを巻き起こし、ナ・リーグ月間最優秀新人を受賞すると、以降は1番ショートで完全に定着。最終成績は、打率.324、6三塁打、5本塁打、45盗塁。ナ・リーグ新人王を受賞。

△ 最初の昇格は6月3日。ま、これは3日間だけで本格昇格は7月8日でした。あっさりとリードオフに定着し、最終的な打撃成績は、打率.342、8三塁打、13本塁打、33盗塁と期待を上回る成績。8月、9-10月にナ・リーグ月間最優秀新人を受賞。惜しくもリーグ新人王はCorey Seager(ドジャーズ)に持って行かれましたが、それでも十分な活躍でした。大きく予想と違う展開となったのはポジション。チーム事情から8月以降はセンターのレギュラーを務めました。

5. Giolitoが6月にメジャーデビュー
さらに、Lucas Giolitoも6月21日のドジャーズ戦でメジャーデビュー。開幕はAA。快投を続け、先発陣に故障が発生したこのタイミングで抜擢される。デビュー戦は5回2失点6奪三振で勝ち投手になる。その後はローテーション投手として投げるが、抑えたり打たれたり。投球回数制限のため8月下旬でシーズン終了。4勝3敗、防御率3.41の成績。

△ AAで開幕から好投し、DL入りしたStephen Strasburgに代わって6月28日のメッツ戦でメジャーデビュー(ここまでの予想は完璧でした)。デビュー戦は4回無失点の好投を続けながら雨のために降板。以降はメジャーでは打たれてばかりで、マイナーと行ったり来たりとなり、9月はブルペンに回りました。0勝1敗、6.75の不本意な結果。思えば、デビュー戦が白星に最も近かった。オフにトレード退団。

6. Ramosが大ブレイク
春先のレーシック手術で回復した視力の効果でWilson Ramosの打撃が大ブレイク。4月の打率はなんと.350、8本塁打を記録。開幕時は下位だった打順を次第に上げ、6月にはHarperのすぐ後ろを打つようになる。夏以降は疲れから調子を落とすが、それでも最後までレギュラーとして活躍。打率.290、24本塁打、100打点を記録。堂々たる成績で、MVP投票でも得票し、QOオファー対象としてFA市場に出る。

△ 野手レビューで書いた通り、大ブレイクのシーズンとなりました。シーズン終了直前の右膝負傷のため、QOは提示されることなくFAとして退団してしまいました(レイズと契約)。

7. オールスターにHarper、Strasburg、Scherzer、Rendon
Harperがファン投票での選出。前半戦にMVP級の活躍のRamosと、やはり好調の投手、StrasburgとScherzerが選ばれる。Strasburgは先発投手の栄誉。ファイナルボートの対象にAnthony Rendonが挙がるものの落選。

○ ファン投票でBryce Harper。それに加えてDaniel Murphy、Wilson Ramos、Stephen Strasburgが当初選出され、出場辞退したStrasburgに代わってMax Scherzerが選ばれました。Anthony Rendonの予想は外しましたが、代わりに2人も入ったので大満足です。

8. フラッグディールトレードでJohn Axfordを獲得
Papelbonの離脱後、弱点となっていたブルペンを補強するため、アスレティックスとの間でトレードを成立させ、John Axfordを獲得。ポストシーズンでもメインセットアッパーとして活躍。

○ ブルペンを補強するという方針の下、7月末にパイレーツからクローザーとしてMark Melanconを獲得。さらに、8月末にはブルペン左腕のMarc Rzepczynskiをアスレティックスから獲得。2人はポストシーズンでも活躍してくれました。

9. Harperが本塁打王、リーグMVP(2年連続)
開幕から打棒爆発のHarper。4月、6月、8月にそれぞれ10本塁打以上を打ち、リーグ月間MVP。最終的には53本塁打、110得点、100打点、341/.549/.739で満場一致の2年連続リーグMVPに輝く。打点でAnthony Rizzoに届かず、三冠王は逃す。ポストシーズンでも大活躍。

× 野手レビューでも書きましたが、4月は素晴らしくリーグ月間MVPを受賞しましたが、以降は惨憺たる結果。ポストシーズンでも貢献できず。

10. ワールドシリーズ制覇!
4月は貯金4の地区2位スタート。5月に入ると大きな連勝があり、早々にメッツから奪首。そのまま独走態勢に。レギュラーシーズンは、95勝67敗で地区優勝。ディビジョン・シリーズでドジャーズを、リーグ・チャンピオンシップではメッツを破って球団初のリーグ優勝(シリーズMVPは4本塁打11打点のHarper)。そして、ワールドシリーズでは 4勝3敗の接戦となるが、アストロズを倒す(シリーズMVPは先発に抑えに大車輪の活躍を見せたScherzer)。

【プレーオフ進出チーム予想】
(ナショナル・リーグ)
東:ナショナルズ
中:カブス
西:ドジャーズ
 ワイルドカード:①パイレーツ、②ジャイアンツ
(アメリカン・リーグ)
東:レッドソックス
中:タイガース
西:アストロズ
 ワイルドカード:①ブルージェイズ、②ロイヤルズ

△ レギュラーシーズン95勝67敗で地区優勝は完全正解!。ディビジョン・シリーズでドジャーズに当たるところまで正解。以降の結果は改めて書く必要はないでしょう。

【プレーオフ進出チーム予想】のうち、ナ・リーグはワイルドカード①がメッツだった以外の4チームが正解でした(ナショナルズがメッツをNLCSで破る予想になっていたのはなぜでしょうね 笑)。

以上です。皆様、よいお年をお迎えください。来年も当ブログをよろしくお願いします。

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