最後は、こちらも恒例の元ナショナルズたちの情報。チーム名のすぐ後は40人ロースター選手。斜体字はマイナー契約招待選手です。

[NL East]
ATL: Kurt Suzuki, Ian Krol
MIA: Destin Hood, Tyler Moore, Matt den Dekker 
PHI: Nick Pivetta, Sean Burnett
NYM: Jerry Blevins, Josh Smoker, Asdrubal Cabrera, Tom Gorzelanny

[NL Central]
CIN: Drew Storen, Tony Renda
STL: Zach Duke
CHC: None
MIL: Tommy Milone
PIT: Felipe Rivero, Eury Perez
[NL West]
ARI: Robbie Ray, Erik Davis
LAD: None 
SDP: Craig Stammen
SFG: Denard Span, Mark Melancon, Michael Morse, Chris Marrero
COL: Ian Desmond
[AL East]
BOS: Fernando Abad, Sandy Leon
BAL: None
NYY: Tyler Clippard
TBR: Wilson Ramos, Steven Souza, Xavier Cedeno
TOR: Marco Estrada
[AL Central]
CHW: Lucas Giolito, Reynaldo Lopez, Matt Purke
CLE: None
DET: Jordan Zimmermann
KCR: Nathan Karns, Billy Burns
MIN: Matt Belisle
[AL West]
LAA: Danny Espinosa, Yunel Escobar, Ben Revere, Alex Meyer, Yusmeiro Petit, Abel De Los Santos
SEA: Marc Rzepczynski
TEX: None
OAK: Jake Smolinski, Ross Detwiler, Max Schrock
HOU: Brad Peacock

みんな、頑張って!

25日からいよいよ実戦が始まりました。

そして、その初戦、最初の打席でBryce Harperがやってくれました。2回表の先頭打者として打席に入ると、メッツの先発Sean Gilmartinの2球目を右中間へ豪快なホームラン。今年も地区優勝を争うライバルとなりそうなメッツに改めて強烈な印象を与えたことでしょう。

そのHarperに続き、5回にはNeftali Sotoがセンターへ2ラン、さらに6回には途中から出場したAndrew StevensonとMatt Skoleの両プロスペクトが連続ソロホームランを打ち、この時点で7-0とリードしました(特に、Stevensonが好スタートを切ったのは嬉しいですね。この後、どれくらいやってくれるでしょうか。)。

投手陣では、先発したGio Gonzalez以下、Trevor Gott、Joe Nathan、Oliver Perez、、Enny Romeroが各1イニングを無失点。特にRomeroは98マイルを計測したそうです。制球力さえあれば素晴らしいブルペン・ウェポンになりそうですが、今日は1四球。マイナー契約のベテラン投手陣が4人ほど乱れて6点を失いましたが、最終的には8-6でオープン戦初戦を勝利しています。

*************
ところで、ここまでのキャンプの故障者情報をまとめておきます。

まず、右手薬指の故障で出遅れているMax Scherzerですが、ブルペンセッションを開始する予定が組まれるまでになりました。他の投手陣より約2週間遅れだということです。開幕に間に合うかどうかはぎりぎりのところ。

期待の捕手プロスペクトPedro Severinoが右肩痛を発症している模様です。程度はよくわかりませんが、Matt Wietersの入団により余剰感が出ていた捕手でしたが、既定路線と思われたDerek Norris(望ましくはないものの Severino)のトレードにも影響がありそうです。

それ以外は、Tim CollinsがTJ手術からのリハビリ調整中(予想の範囲内)なくらいで、全体的には順調と言っていいと思います。

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明日以降は毎日とはいきませんが、スプリングトレーニングの情報をまとめて記事にしていきたいと思います。

2/3 Jeremy Guthrieとマイナー契約
2/7 Enny Romeroをトレード獲得
2/13 Adam LindとFA契約
2/24 Matt WietersとFA契約 (詳細は別記事)
2/28 Joe BlantonとFA契約

● Jeremy Guthrieとマイナー契約
37歳のベテラン先発右腕Jeremy Guthrieとマイナー契約を結びました。低迷していた時代のオリオールズ(2008~11年)のエースとしての印象が強いですね。その後、2013年にロイヤルズで15勝を記録し、ロイヤルズが29年ぷりにポストシーズンに進んだ2014年もローテーションの柱として活躍しました。ただ、不振のため2015年シーズン途中に先発ローテーションから外され、昨シーズンはパドレスとマーリンズのAAAに所属していましたが、防御率7点台と低迷し、メジャーに上がることはありませんでした。Guthrie自身が復活し、かつ、ナショナルズ投手陣に故障が出た場合くらいしか、可能性はないと思いますが、まあ頑張ってください。

● Enny Romeroをトレード獲得 
スプリングトレーニングまであと1週間。レイズとの間でトレードがまとまりました。が、噂に上がっていたクローザーのAlex Colemeではなく、獲得したのはブルペン左腕のEnny Romero。ドミニカ出身の26歳。メジャーデビューは当時22歳の2013年でしたが、定着したのは2015年の夏以降。昨季はシーズンを通じてレイズのブルペン投手として過ごし、52試合に登板も防御率5.91と奮いませんでした。平均96マイルという速球が最大の武器。ただ、いかんせんコントロールが悪く四球で崩れるパターンが目立ちました。ナショナルズからレイズに移るのは、ドミニカ出身で昨季GCLで11試合に投げた21歳の右腕投手、Jeffrey Rosa。プロスペクトとしての評価は見たことがない選手です。40人ロースター枠に余裕がなくなったレイズがRomeroを外すことにし、ウェイバーで失うよりましという感じで安くトレードに出した結果でしょう。

Romeroもスプリングトレーニングで開幕ロースター入りを争うことになります。ただ同然の対価で獲得したことに鑑みると、マイナー契約のベテランとほぼ同じ立場でしょう。オプションが切れているため、生き残れなかった場合にはウェイバーにかけられることになります。果たして4月まで在籍しているかどうか。

● Adam Lindと1年150万ドルで契約
FAのAdam Lind一塁手と1年150万ドル(2017年の年俸100万ドル+2018年の契約オプション破棄の際の違約金50万ドル)で契約しました。33歳。左打ち。2014年までの9シーズンにわたってブルージェイズで一塁手やDHとして活躍した印象の強い打者(2009年にはDHとしてシルバースラッガーを受賞)。2014年11月にブリューワーズへ(元ナショナルズのMarco Estradaとの1対1)、さらに2015年12月にはマリナーズへとトレードされ、昨シーズン終了後にFAとなっていました。最大の魅力は11シーズンで通算186本塁打の長打力で、打率.239に終わった2016年シーズンでも20本塁打を打っています。打率も、昨季は不本意でしたが、通算では.271という数字。また代打での通算108打席で打率.309と、ベンチバットとしての実績もあります。守備力は、ファーストなら最低限守れるという程度のようです。2009年まではレフトも守っていましたが、もう無理でしょう。

基本的にはベンチバットとしての位置づけになりますが、Ryan Zimmermanの状態次第では、プラトーンとしてあるいはレギュラーとして出場機会を得るかもしれません。Zimmermanの活躍を見たい(Lindの出番が少ない方がいい)というのが長年のファンの気持ちですが、昨シーズンのようなZimmermanであれば併用もやむなしかと思います。左のベンチバットとしては、Clint Robinsonからのアップグレードとなります。Robinsonも40人ロースターに在籍していますが、微妙な立場。2015年は左のパワーバットとして評価を得ましたが、昨シーズンは長打が激減し、代打の切り札としてはやや物足りなくなっていました。スプリングトレーニングで余程の長打力を見せての活躍がない限り、開幕ロースター入りは難しいのではないでしょうか(オプションが切れているので生き残れない場合は退団となる可能性も高い。)。


● Matt WietersとFA契約
オリオールズからFAとなっていたMatt Wieters捕手と契約に合意。詳細は別記事。

● Joe Blantonと1年400万ドルで契約
36歳のベテランブルペン右腕、Joe Blantonと1年契約で合意しました。2017年の基本給が100万ドルで、投球イニングに応じたインセンティブあり(70イニング到達で最大100万ドル)。さらに2018年以降に総額300万ドルが後ろ倒して支払われる契約になっています。

直近はドジャーズのエースセットアッパーとして昨年のNLDSでナショナルズを抑え込んでくれた印象が強烈ですが、長く先発を務めていた投手。2000年代前半のアスレティックスで3年連続2桁勝利を記録し、(例に漏れず)2007年途中にフィリーズにトレードされ、その後2012年までフィリーズのローテーションの一角を占めていました。個人的にはナショナルズとの対戦の多かったこのフィリーズ時代の印象が強いのですが、フィリーズでの通算防御率が4点台半ばなように通り、そんなに手ごわい相手だったわけではありません。最後に先発として投げた2013年(ドジャーズ)の防御率は6点台で、翌2014年はついにどこの球団とも契約することができずこのまま引退かと思われましたが、2015年にブルペン投手としてロイヤルズで復活。その夏にトレードされたパイレーツでも好投し、昨年はドジャーズで75試合に登板して2.48/1.01という好成績を残しました。

クローザーという器でもないし、そんなすごい球を持っているわけでもなく、セットアッパーとしても昨年ほどの結果を期待するのはさすが無理だと思っています。まあ、中継ぎとしてしっかり貢献してくれれば御の字でしょう。

Yahoo!のJeff PassanのFAランキングでは、35位にランクされていた選手。同14位のMatt Wietersとともに、トップ40でマーケットに残っていた最後の2人を2月の後半になってそろってナショナルズが確保したことになります。うまくやっているというべきなんでしょうかね。。。

今日から投手陣はブルペンセッションを開始しました。故障からの回復状況が注目された選手のうち、Stephen StrasburgとJoe Rossは問題なく調整を開始した一方、Max ScherzerはWBCを回避する原因となった右手薬指の状態が万全でなく、開幕に間に合うかどうかわからないという情報が入っています。とりあえず、初日はTJ手術からのリハビリ中のTim Collinsとキャッチボールをしていたとのこと。うーむ。本格的に先発ローテーション争いが展開されることになるかもしれません。

=====
さて、ST Outlook シリーズ。今日は内野手編です。スプリングトレーニング開始直前に動きがありました。

●オフの動き
FAからみの動きは、11月にFA退団したStephen Drewと1月になって再契約しただけでしたが、キャンプイン直前になってAdam Lindとも1年契約を結びました。また、ルール5ドラフトを前にMatt SkoleとJose Marmolejosの2人が40人ロースターに追加されています。

レギュラー陣は全員残留だったので昨シーズン終了時点の布陣でも良かったはずですが、ホワイトソックスとのトレードでAdam Eatonをセンターとして獲得し、昨季後半にセンターを守ったTrea Turnerをショートへコンバート(というか本職に戻した)。これで居場所がなくなったDanny Espinosaを、直後に、エンゼルスへトレードしました(そういえば、昨オフもまだ保有期間のあったYunel Escobarをエンゼルスへトレードしたんだった)。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Ryan Zimmerman 
Daniel Murphy
Anthony Rendon
Trea Turner
Clint Robinson 
Stephen Drew
Adam Lind
Wimer Difo
Matt Skole
Jose Marmolejos 
[Non-Roster Invitees]
Emmanuel Burriss
Grant Green
Corban Joseph
Neftali Soto
Drew Ward

想定されるレギュラー陣は、ファーストRyan Zimmerman、セカンドDaniel Murphy、サードAnthony Rendon、ショートTrea Turner。中でも注目はTurnerでしょう。いわゆる2年目のジンクスに陥ってしまうのか、それともこのままスター街道を歩むのか。重要な春となりそうです。残る3人は故障なくしっかり調整してくれればいいのですが、MurphyはWBC(米国代表)に参加するのでそちらでもけがをしないように気を付けてください。

ベンチも、ともにオフにFA(再)契約を結んだ左の代打及びファーストの控えとしてのAdam Lindと、セカンド・サード(・ショート)の控えとしてのStephen Drewで開幕を迎えることが想定されます。

これで浮いてしまうのがClint Robinson。2015年にマイナー契約から開幕ベンチ入りを果たして左のパワーバットとして活躍しましたが、昨シーズンはとにかく長打が出ず、代打としてはやや物足りない存在となっていました。それでも最低限の貢献はしていたので今季もベンチ入りは確実かと思われていましたが、キャンプ直前に役割が完全にかぶるLindが入団したことで一気に微妙な立場となりました。なお、オプションが切れてしまっており、マイナーに送るにはウェイバーを通す必要があります。

むしろ故障などにより出遅れが出た場合の一番手はWilmer Difoでしょう。ショート、セカンド、サードを守れることに加え、打撃でも昨年秋に上がってきた際に好印象を残しており、開幕後も含めメジャーでのプレーは多くなると見込まれます。

その後は40人ロースターの2人とマイナー契約のベテラン勢が団子状態ですが、ここから生き残りが出るようでは、心配なチーム状態と言わざるをえないと思います。マイナー契約選手の中での注目はDrew Ward。昨シーズン、Potomac(A+)からHarrisburg(AA)に昇格し、アリゾナ秋季リーグでも好成績を残し、評価を上げた元ドラフト3順目(2013年)の22歳。Rendonが大きな故障に見舞われない限りメジャーデビューはまだしばらく先と思われますが、今後に向けてアピールしてくれることを期待しましょう。

17日が野手陣の集合日。特に遅れているとか、故障しているといった情報は入っていません。

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ポジション別の最終回は外野手編です。

●オフの動き
一度はFA退団したChris Heiseyとすぐに1年で再契約し、ベンチの1枠を確定。FA選手の動きはそれだけでした。

年俸調停対象としてまだ保有することができたBen Revereでしたが、12月初旬にチームは来季の契約を結ばないことを決断(ノンテンダーFAとして退団)。その1週間後、センターのレギュラーを任せられる選手としてホワイトソックスからAdam Eatonをトレードで獲得しました。これにより、昨シーズン後半に急造センターとして頑張っていたTrea Turnerは本職のショートに戻ることになりました。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Bryce Harper
Jason Werth
Adam Eaton
Chris Heisey 
Michael Taylor
Brian Goodwin
Rafael Bautista 
[Non-Roster Invitees]
Brandon Snyder
Andrew Stevenson

左からJayson Werth、Adam Eaton、Bryce Harperがレギュラーの予定。

いよいよ契約最終年となるWerthが有終の美を飾ってくれることをもちろん期待していますが、一方で後継者も気になるところ。Werthの後継者として来季以降のナショナルズの外野を守らせるに十分(つまり、FA選手で穴を埋める必要がない)と評価されるだけの候補者となるには、まずこのスプリングトレーニングでしっかり名乗りを上げることが必要でしょう。経験値ではMichael Taylorが抜きんでていますが、昨シーズン、チャンスを与えられながら生かせなかった印象は悪い。むしろ、昨シーズン終盤にメジャーデビューして一躍評価を上げたBrian Goodwinへの期待が高まっています。また、マイナーから参加のAndrew Stevensonも昨年のアリゾナ秋季リーグなどで高い評価を得ていました。メジャーの投手を相手に打席に入り、首脳陣にどのような印象を残すことができるか楽しみです。

Eatonは新しいチームに移籍しての最初のキャンプ。トレードの代償が大きかっただけにファンやマスコミからの注目を集めることになりますが、あまりプレッシャーに感じずしっかり調整してくれればと思います。

そしてHarper。リーグMVPを受賞した2015年から一転して、2016年はかなり残念なシーズンとなってしまいました。夏場以降は首を痛めていたという情報もシーズンが終わってから流れてきましたが、もしそれが原因だったとすれば、しっかり直してきているかが最初の注目。その上で、どういうプレーを見せてくれるか。やはり一番のスターはHarperですから、この人の活躍なくしてワールドシリーズ制覇はありません。頑張ってください。

[2月24日追記]
正式に発表されました。Derek Norrisのトレードを画策しているといった情報が飛び交っていますが、今のところ実現していません。

[2月22日オリジナル]
FAのMatt Wieters捕手と契約合意に至ったと報じられています(身体検査がまだのため正式発表はありません)。

オフが始まった当初からWietersの行き先としてナショナルズが噂されていましたが、ウィンターミーティングの機会などに下交渉はしたものの条件面で整うことはなく、ナショナルズはDerek Norrisのトレード獲得でWilson Ramosの抜けた穴を埋めていました。一方のWietersは代理人のScott Borasがいつものように強気の交渉を続けたものの希望したような契約提示を受けることはなく、所属先が決まらないままスプリングトレーニングが始まる状況となっていました。こういった経緯を踏まえ、今般、Wieters側が条件面で譲歩し、それならばということでナショナルズが契約に合意したということのようです。

そういう事情ですから、契約条件はオフに入った当初に想定されていた額よりはかなり低めの、1年1050万ドルに選手側オプション1年(2018年)1050万ドルの総額2年2100万ドル。球団としてはうまくやったと言えるでしょう。

Matt Wieters (2016 Season for Orioles) 
124G  464PA 17HR 66RBI .243/.302/.409 1SB

ジョージア工科大から2007年ドラフト1順目全体6位でオリオールズに入団。(ちなみに直後の全体7位でナショナルズはRoss Detwilerを指名)。入団直後からマイナーで結果を残し、2009年シーズン前にはBAで全体1位とランクされるなど、スーパーの付くトッププロスペクトでした。その2009年にはさっそくメジャーデビューを果たしてオリオールズの正捕手の座に就き、以降、4度のオールスターに選出されるなど昨シーズンまで、オリオールズの顔として活躍してきました。両打ちで、2011年から3年連続で20本塁打以上を記録するなど攻撃型の捕手。ですが、2度ゴールドグラブ賞を受賞しており(近年低下してきているとはいえ)守備力も悪くありません。問題は健康面。2014年にTJ手術を受け、2015年シーズン途中に復帰したものの、攻守とも以前の状態までは戻っていないと言われています。そういう事情もあり、初めてFA権を取得した昨オフはQualifying Offerを受け入れてオリオールズに残留し、今オフもなかなか契約を得られませんでした。既に30歳という年齢も捕手という重労働のポジションを考えると各球団が長期契約を提示するにはためらった理由でしょう。

とはいえ、Yahoo!のJeff PassanのこのオフのFA選手ランキングで14位、捕手ではトップの評価を得ていた選手。契約条件から言ってもナショナルズでは当然レギュラー待遇となります。そこで問題となるのは、余剰となった捕手をどうするかです。これまで2つの席を争っていたはずのDerek Norris、Jose Lobaton、Pedro Severinoの3人から開幕ロースターに入るのは1人だけとなりました。NorrisとSeverinoはマイナーオプションが残っているので、Lobatonを控えとし、2人をAAAに行かせて開幕を迎えるという手もありますが、誰かをトレードに出すということも考えられます。来季以降を考えると、Severinoは残しておきたいところですが、せっかく戻ってきたNorrisがナショナルズでプレーすることを見ることがないまま手放すことになるのも非常に残念です。かといって、市場価値という点ではLobatonが最も低いのは間違いありません。

ひとまず戦力の補強には間違いありません。が、しかし、この契約の評価は、この後、捕手3人を巡って(ほかのポジションの選手も巻き込んで)どういう動きがあるかによって決定されるものではないかと思います。しばし、様子を見ましょう。

[2017年2月14日更新終了] 

1. Yoenis Cespedes, OF* →NYM : 1億1000万ドル/4年

2. Edwin Encarnacion, DH/1B* →CLE: 6500万ドル/3年
3. Aroldis Chapman, RP → NYY: 8600万ドル/5年  
4. Kenley Jansen, RP* →LAD: 8000万ドル/5年
5. Justin Turner, IF* →LAD: 6400万ドル/4年
6. Dexter Fowler, CF* →STL: 8250万ドル/5年
7. Rich Hill, SP → LAD : 4800万ドル/3年
8. Ian Desmond, CF/SS* → COL: 7000万ドル/5年 
9. Jeremy Hellickson, SP* → PHI: QO(1720万ドル/1年)
10. Jose Bautista, OF* → TOR: 1850万ドル/1年
11. Mark Melancon, RP → SFG: 6200万ドル/4年
12. Mark Trumbo, DH/OF* → BAL: 3750万ドル/3年
13. Neil Walker, 2B* → NYM: QO(1720万ドル/1年)
14. Matt Wieters, C
15. Carlos Beltran, DH/OF → HOU: 1600万ドル/1年
16. Josh Reddick, OF → HOU : 5200万ドル/4年
17. Jason Hammel, SP → KC: 1600万ドル/2年
18. Wilson Ramos, C → TBR: 1250万ドル/2年
19. Carlos Gomez, OF → TEX: 1150万ドル/1年
20. Ivan Nova, SP →PIT: 2600万ドル/3年
21. Mike Napoli, 1B/DH → TEX: 850万ドル/1年 
22. Kendrys Morales, DH/1B → TOR: 3300万ドル/3年
23. Bartolo Colon, SP → ATL: 1250万ドル/1年
24. Daniel Hudson, RP →PIT: 1100万ドル/2年
25. Jae-gyun Hwang, UT → SF: minor
26. Brad Ziegler, RP →MIA: 1600万ドル/2年
27. Jason Castro, C →MIN: 2450万ドル/3年
28. Michael Saunders, OF→ PHI: 900万ドル/1年
29. Matt Holliday, OF → NYY: 1300万ドル/1年
30. Derek Holland, SP →CHW: 600万ドル/1年
31. Luis Valbuena, UT → LAA: 1500万ドル/2年
32. Brandon Moss, OF → KC: 1200万ドル/2年
33. Chase Utley, 2B → LAD: 200万ドル/1年
34. Brett Anderson, SP → CHC: 350万ドル/1年
35. Joe Blanton, RP
36. Colby Rasmus, OF →TB: 500万ドル/1年
37. Brett Cecil, RP → STL : 3000万ドル/4年
38. Travis Wood, SP/RP → KC: 1200万ドル/2年 
39. Matt Joyce, OF → OAK: 1100万ドル/2年
40. Steven Pearce, UT → TOR: 1250万ドル/2年
41. Sean Rodriguez, UT → ATL: 1100万ドル/2年
42. Jonathan Papelbon, RP
43. Pedro Alvarez, DH/1B
44. Charlie Morton, SP → HOU: 1400万ドル/2年
45. Andrew Cashner, SP → TEX: 1000万ドル/1年
46. Mitch Moreland, 1B → BOS: 500万ドル/1年
47. Jose Miguel Fernandez, 2B/3B → LAD: minor
48. Edinson Volquez, SP → MIA: 2200万ドル/2年
49. Jon Jay, CF → CHC: 800万ドル/1年
50. Rajai Davis, OF →OAK: 600万ドル/1年
53. Doug Fister, SP
72. Marc Rzepczynski, RP → SEA: 1100万ドル/2年
78. Drew Storen, RP →CIN: 300万ドル/1年
95. Kurt Suzuki, C → ATL: 150万ドル/1年
99. Stephen Drew, IF → WAS: 350万ドル/1年
101. Matt Belisle, RP →MIN: 205万ドル/1年
105. Ross Ohlendorf, RP →ヤクルト・スワローズ: 160万ドル/1年
141. Yusmeiro Petit, SP/RP → LAA: minor 
167. Sean Burnett, RP → PHI: minor
169. Craig Stammen, RP → SD: minor
195. Ross Detwiler, SP/RP →OAK: minor
NA. Chris Heisey, OF → WAS: 140万ドル/1年
NA. Michael Morse, 1B → SFG: minor
NA: John Lannan, LHP → KC: minor
NA. Tyler Moore, 1B → MIA: minor
NA. Matt den Dekker, OF →MIA: minor

NA. Adam Lind, 1B → WAS: 150万ドル/1年

NT: Ben Revere, OF → LAA: 400万ドル/1年


[11月11日オリジナル]
2016年オフのFA選手リストです。ランキングはYahoo!のJeff Passanによるもの。トップ50と主な元ナショナルズを転載しておきます。

ナショナルズからFAとなった選手では、Mark Melanconが11位、Wilson Ramosが18位(あのケガさえなければトップ10は確実だったのですが)がトップ50に入っています。そして、Ian Desmondが8位。再びQOを受けていますが、今年こそいい契約を勝ち取れるでしょうか(QOを受けた選手は*を付けています)。

[11月12日更新]
今オフ最初の大型FA契約は、ブルージェイズがKendrys Moralesとの間で合意した3年3300万ドルでした。Moralesは3年前にQOの軛(くびき)に苦しめられて春までチームが決まりませんでしたが、今回は早々に決まって良かったですね。また、大ベテラン、42歳のBartolo Colonも来季ブレーブスで現役続行となりました。

そして我らがナショナルズはChris Heiseyと再契約。Jeff Passanのトップ200には名前がありませんが、NLDS第5戦での2ランをはじめ印象的な代打ホームランもあったし、まだ31歳。ベンチバットとしてはいい選手だと思います。

[11月15日更新]
フィリーズからFA退団したJeremy Hellickson投手と同じくメッツからのNiel Walker二塁手の2人が、それぞれQO(1年1720万ドル)を受け入れ、残留することになりました。

2人以外の以下の8人はQOを拒否しましたので、ドラフト指名権の異動が発生します。Ian Desmondがいい契約を結べることを願っています。

Mark Trumbo, OF
Yoenis Cespedes, OF
Edwin Encarnacion, DH/1B
Jose Bautista, OF
Ian Desmond, CF/SS
Dexter Fowler, CF
Kenley Jansen, RP
Justin Turner, INF

[12月7日更新]
開催中のウィンターミーティングの現場から、Wilson Ramosがレイズとの間で2年契約に合意したという嬉しいニュースが入ってきました。2年1250万ドル(インセンティブを達成すると最大1825万ドル)は、怪我さえなければ得られたであろう額の少なく見積もっても1/3にしかなりませんが、それでもこの早いタイミングで所属先が決まったことはリハビリの励みにもなるでしょうし、良かったと思います。DHのあるア・リーグという点もいいですね。

また、数日前にはMark Melanconがジャイアンツと合意。ナショナルズも再契約を狙って交渉したようですが届きませんでした。4年総額6200万ドルというリリーフ投手の史上最高額です(これまでの記録はJonathan Papelbonがフィリーズと結んだ4年5000万ドルでした)。まあ、このオフの間にAroldis Chapmanに更新されることは確実ですが、それをナショナルズが達成する可能性も無きにしもあらずです。

その他、早々に相思相愛のメッツと再契約したYoenis Cespedesなどの情報を追記しています。


 [12月8日更新]
連日の更新になりますが、さらに嬉しいニュースです。Ian Desmondがロッキーズと5年7000ドルの大型契約に合意しました。昨オフは不本意な1年契約を結ぶことになったDesmond。レンジャーズでセンターを守りながら打撃成績もしっかり戻し、再びQOを受けながらも、それをものともしないで(ロッキーズは制度上保護されていない最高位の1順目11位指名権を喪失)、この契約を勝ち取りました。気になるのはポジションで、今度はファーストと言われています。まあ、デンバーですから、打ちさえすればいいのです。

また、Aroldis Chapmanがヤンキースと5年8600万ドルで合意。Melanconの記録はほんの数日で塗り替えられてしまいました。クローザー市場にはナショナルズも参戦しているはずなのですが、Chapmanには強いアプローチはしなかった模様です。正解だと思います。

[1月13日更新]
1か月以上放置してしまいましたが、この間、Kenley Jansenにオファーしたもののドジャーズに競り負けたくらいでナショナルズに新たな契約のニュースはありませんでした。クローザーは市場からいなくなってしまいましたが、どうするんでしょうか。Matt Wietersに関心を示しているという噂もありましたが、思うようにマーケットが育たないWieters陣営(Scott Boras)からの真偽不明の情報と思われます。

Jansenを含め大物は続々と所属先を決定し、QO対象選手では、Jose BautistaとMark Trumboの大砲2人を残すのみとなっています。

元ナショナルズでは、Drew Storenがレッズと1年契約。300万ドルという金額は残念ですが、レッズのブルペン事情からすれば十分クローザーの地位を狙えます。頑張れ。また、ノンテンダーしたBen Revereがエンゼルスと1年契約。メジャー契約を得たのはこれくらいで後はマイナー契約がちらほら。Ross Ohlendorfが日本(ヤクルト)に来ることも決まりました。合ってそうな気がするのは私だけでしょうか。また、懐かしのMichael MorseとJohn Lannanが、それぞれジャイアンツ、ロイヤルズとマイナー契約を結んだというニュースもあったので書き足しています。もう一度メジャー復帰してほしい選手達です。

[2月3日更新]
2月になりました。この半月の間にナショナルズはStephen Drewと再契約。他には、Matt Wietersとの関連で名前が挙がっていますが、あまり現実的だとは思っていません。

マーケットでは、QO対象選手で残っていたJose BautistaとMark Trumboの2人が、いずれも古巣と再契約。やはりQOが市場価値を押し下げたものと思われます。残る大物は、14. Matt Wietersのほか、21. Mike Napoli、投手では17. Jason Hammelといったところ。

[2月14日 最終更新] 
スプリングトレーニング直前となり、ほとんどの大物FA選手(前回更新以降では、Jason Hammel、Mike Napoliなど)は行き先を決定していきました。上位30位までで残るはMatt Wieters(14)のみ。元ナショナルズでは、Yusmeiro Petitがエンゼルスとマイナー契約。行き先未定はDoug Fisterくらいとなりました。Fister、いっそ戻ってきてくれないかな。
BPから全体101が公表されました(元記事へのリンク)。

ところが、今日(2月15日)に全体1位のAlex ReyesがTJ手術が必要なことが判明。いやはや。

1. Alex Reyes, RHP (STL)
2. Dansby Swanson, SS (ATL)
3. Andrew Benintendi, OF (BOS)
4. J.P. Crawford, SS (PHI)
5. Yoan Moncada, 2B/3B (CHW)
6. Austin Meadows, OF (PIT)
7. Victor Robles, OF (WAS) 
8. Amed Rosario, SS (NYM)
9. Eloy Jimenez, OF (CHC)
10. Lucas Giolito, RHP (CHW)

ナショナルズのVictor Roblesが全体7位という高い評価を受けました。Lucas Giolito(10位)、Reynaldo Lopez(30位)という2人のトッププロスペクトを放出してマイナー組織の弱体化が懸念されていますが、Roblesだけは手放さなかったRizzo GMの判断は間違っていないと思います。とりあえず今は。

ナショナルズからはRoblesの他に、57位にJuan Soto、62位にErick Feddeの2人がランクイン。まあ、そんなものでしょう。

57. Juan Soto, OF
62. Erick Fedde, RHP

BPより3日ほど早い2月10日には、BAからも全体トップ100が公表されてました(元記事へのリンク)。

1. Andrew Benintendi, OF (BOS)
2. Yoan Moncada, 2B/3B (CHW)
3. Dansby Swanson, SS (ATL)
4. Alex Reyes, RHP (STL)
5. Gleyber Torres, SS (NYY)
6. Austin Meadows, OF (PIT)
7. Cody Bellinger, 1B (LAD)
8. Amed Rosario, SS (NYM)
9. Nick Senzel, 3B (CIN)
10. Willy Adames, SS (TB)

トップ10のうち野手が9人。近年は全体的に投手より野手が上位を占める傾向にはありましたが、投手がわずか1人だけというのは私が知る限り初めてです。しかもその1人がTJ手術で離脱した結果。トップ20に広げても、他にはアストロズのFrancis Martes(15位)しかいません。投手プロスペクトが不作、という理解でいいんでしょうか。。。

さて、ナショナルズからは、Victor Roblesが13位、Erick Feddeが52位にランクイン。昨年の5人、一昨年の7人と比べると見劣りはしますが、消えていった名前はいずれも卒業あるいはトレードの結果なので悪くはありません。来年はRoblesのトップ10入りと新しい名前が出てくることを期待しましょう。

13. Victor Robles, OF
52. Erick Fedde, RHP

元ナショナルズ勢では、Lucas Giolitoが24位、Reynaldo Lopeが31位にランクイン。Giolitoはやや落としましたが、Lopezは上昇。2人とも今年中には卒業でしょう。

続いて(ちょっと時間がかかりましたが)この春のナショナルズのキャンプの最大の注目であるブルペンにまいりましょう。

●オフの動き
昨シーズン後半からポストシーズンにかけてクローザーを務めたMark MelanconがFA退団。再契約を目指したようですが、ジャイアンツに競り負けました。続いてドジャーズからFAとなったKenley Jansenとも交渉したものの、元々残留志向の強かったJansenはドジャーズと再契約。「クローザー」の補強はできないままにスプリングトレーニングに突入することになりました。

中継ぎ陣についてもYusmeiro Petit, Matt Belisle, Marc RzepczynskiらがFA退団した後、ベテラン勢とFA契約を結ぶことはなく、Austin Adams, Jimmy Cordero, Enny Romeroの若手3人をいずれもトレードで獲得するにとどまっています。

●スプリングトレーニングの見所
[40 man Roster]
Shawn Kelley
Blake Treinen
Sammy Solis(L)
Koda Glover
Oliver Perez(L)
Matt Grace(L)
Rafael Martin
Trevor Gott
Enny Romero(L)
Austin Adams
Jimmy Cordero
[Non-Roster Invitees]
Matt Albers
Dustin Antolin
Mike Broadway
Tim Collins(L)
Neal Cotts(L)
Braulio Lara(L)
Derek Eitel
Joe Nathan
Jacob Turner
Vance Worley
Nick Lee(L)
Wander Suero

完全な空席となっているクローザー。キャンプ初日に記者の囲み取材を受けたBaker監督が、特定のクローザーに固定しないで調子のいい投手に9回を任せるいわゆる「クローザー・バイ・コミッティー」は採用しないと明言しており、ワイドオープンな競争が展開されることになります。

スプリングトレーニングが始まった後でもトレードで「クローザー」を獲得する可能性がないわけではありませんが、現時点で候補者と見られているのは、Shawn Kelley、Blake Treinen、Koda Gloverの3人です。

まず、昨シーズン67試合で2.64/0.897、80奪三振のKelley。メジャー9年目の32歳で豊富な経験があり、成績も最も安定感がありますが、2度のTJ手術を経験しているため無理な起用はけがの元。昨年のNLDS第5戦で腕の痛みを訴えて途中降板したのがいい例です(そのケガの状態もやや心配)。ある程度の予見可能性を持たせながら、エースセットアッパーとして使いたい投手です。

メジャー3年目の昨シーズン、すっかりブルペン投手として地位を確立したTreinen。奪三振率は高くありませんが、シンカーでゴロを打たせる技術は極めて高く評価されています。シンカーボーラーのクローザーと言えば、個人的には2000年レッドソックスのクローザーだったDerek Loweが思い出され、つまり十分クローザーが務まるとは思いますが、一方で、ランナーがたまって併殺が欲しい場面(無死満塁など)で使いたい投手でもあります。

高い奪三振率を誇り、3人のうち最もクローザー適性があると言われているのがGlover。2015年にドラフトされ、プロ2年目の昨シーズン、開幕したPotomac(A+)からあっという間に階段を上って7月にメジャーデビューしました。マイナーではどのレベルでもクローザーとして相手打者を圧倒。股関節の故障で9月中旬以降やや調子を落としましたが、それまではメジャーでも防御率2点台を維持していたので、健康ならメジャーでも通用することは証明済み。故障が完治していれば、この春、あっさりとクローザーの地位に就くかもしれません。

この他、マイナー契約招待選手のリストに通算377セーブのJoe Nathanの名前がありますが、仮にNathanがクローザーとして開幕するようであれば、それは故障や不振が頻発したことの証左であり、かなり不安な船出となることでしょう。

Treinen、Glover、Kelleyの3人に加え、昨シーズン結果を残したSammy SolisとOliver Perez(WBCメキシコ代表)の左腕2人が中継ぎ投手としてほぼ当確でしょう。

また、昨年はPetitが務めたロングリリーフの役割を務める投手も未定ですが、それで1枠。先発枠で調整するであろうA.J. Cole、Taylor Hillあたりが回ってくるか、マイナー契約のVance WorleyやJacob Turnerが奮起して割り込んでくるか。候補はそのあたりでしょう。

そうなると、残るは2枠程度となりますが、Matt Grace、Rafael Martin、Trevor Gott、それに新加入のAustin Adams, Jimmy Cordero, Enny Romeroの40人ロースター勢を見渡すだけでもそれなりにいいボールを投げる投手がそろっています(経験値はほとんどない投手ばかりですが)。これにマイナー契約の選手が加わって競争を繰り広げることになります。このうち、オプションがない(ことがはっきりしている)Romeroは、マイナーに落とすならウェイバーを通す必要があり、そのあたりも判断要因になるかもしれません。なお、Romeroはドミニカ代表としてWBCに参加予定です。

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